2月23日、59歳の誕生日を迎えられた皇太子さま。5月1日には新天皇として即位される。今上陛下が即位されたのは55歳であったことを考えると、皇太子さまは少し遅れて、来年には還暦というご年齢で大きな節目を迎えられる。

リオデジャネイロ・パラリンピックの女子マラソン(視覚障害)銀メダリスト、道下美里さんと伴走される皇太子さま 宮内庁提供

皇太子さまの変わらないご姿勢

 2003年から雅子さまは長期療養に入られ、皇太子さまが夫として父として、ご家族をそっと見守り支えられてきたご様子を多くの国民は拝見してきた。今思えば、皇太子さまがいわゆる「人格否定発言」を口にされた2004年5月のデンマーク・ポルトガル・スペインご訪問を前にした記者会見の時から、このご姿勢は変わらないように思う。

2004年5月10日、皇太子さまの欧州歴訪に際した記者会見 宮内庁提供

「雅子にはこの10年、自分を一生懸命、皇室の環境に適応させようと思いつつ努力してきましたが、私が見るところ、そのことで疲れ切ってしまっているように見えます。それまでの雅子のキャリアや、そのことに基づいた雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です。最近は公務を休ませていただき、以前、公務と育児を両立させようとして苦労していたころには子供にしてあげられなかったようなことを、最近はしてあげることに、そういったことを励みに日々を過ごしております。(中略)早く本来の元気な自分自身を取り戻すことができるよう、周囲の理解も得ながら、私としてもでき得る限りの協力とサポートをしていきたいと思っています」

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 皇太子さまが「足慣らしのために、静かな形でのプライベートな外出の機会を作っていくことも必要」とも仰った通り、愛子さまがまだお小さく、雅子さまが公の場へ姿を見せられることが現在と比べると少なかった2000年代は、皇太子ご一家のお忍びのお出ましは多かった。東京ディズニーリゾート、恵比寿ガーデンプレイスのクリスマスイルミネーション。ハロウィンには、愛子さまが仮装されて一般の人たちと一緒に屋外を歩かれたこともある。

2006年3月、ディズニーランドとディズニーシーを訪問された皇太子ご一家 ©文藝春秋