肯定的に述べられた「お付き添い登校」と「山中湖校外学習」
私が取材を通じて父としての皇太子さまの素顔を拝見する機会は、2010年3月から、学習院初等科2年生だった愛子さまが不登校のような状態になられ、その後雅子さまのお付き添いが続いた時期が最も多かったと思う。皇太子さまは雅子さまとご一緒に、平日であっても愛子さまの学校行事に参加されていた。愛子さまが所属されていた管弦学部の朝練など、雅子さまに代わって皇太子さまが学校まで付き添われる日もあった。
最も印象的だったのは2011年、初等科4年生での山中湖への校外学習だ。出発は早朝。皇太子さまは愛子さまと一緒に登校されて、4台のバスに分乗した子供たちに笑顔で手を振り見送られた。ちょうどその頃、雅子さまは東宮御所を出発されたのだ。現地に到着されると、子供たちが立ち寄る場所には雅子さまもほとんどついて行かれ、チェックのシャツにウエストポーチという「山ガールファッション」でハイキングもされていた。雅子さまが校外学習にまで同行されたことで大きな波紋が広がったが、このことを振り返って、皇太子さまはこう肯定的に述べられている。
「愛子へのサポートについてですが、現在の状況に至るまでには、体調が万全でない中、昨年秋まで毎日のように学校に付き添いながら、先生方や関係者と相談を続けて問題の解決に力を尽くしてきた雅子の努力が大変大きかったと思います。(中略)昨年の山中湖における校外学習への参加は、愛子が学校生活への安心感を取り戻す上で、大きなステップになったと思います。校外学習を経て、愛子が大きなものを一つ乗り越えたように見受けられました」(2012年2月の誕生日会見)
愛子さまは学習院女子中等科3年生の秋頃から、体調不良を理由に学校を長期欠席された。2017年2月、皇太子さまの誕生日に際して公開されたご近影での愛子さまは、あまりに痩せられたお姿で、私は大きなショックを受けた。この時も皇太子さまは「ふだんどおり」と仰って、あくまでも愛子さまを見守るご姿勢を貫かれた。
「愛子については、先生方や多くの友達に囲まれ、中学校生活の最後をとても有意義に、そして楽しく過ごしているようです。一時期体調を崩したこともあり、皆様に御心配をお掛けいたしましたが、雅子の支えもあり、今はふだんどおり学校生活に戻っております」(2017年2月の誕生日会見)
こうして振り返ると皇太子さまはマスコミからバッシングが集まった時期にも、一貫してご家族の「盾」となって発言されていることに気がつく。愛子さまは女子高等科に進学されて徐々に快活なご様子に戻られ、雅子さまのご体調も次第に上向きになっていらっしゃるようだ。お代替わりを目前に控え、特にここ1年ほどで皇太子ご一家を支える東宮職の雰囲気も、愛子さまが初等科に通学されていた頃とは比べ物にならないほど和やかになってきているように感じる。