新皇后としてのお気持ちの高まりを歌に
雲間よりさしたる光に導かれわれ登りゆく金峰(きんぷ)の峰に
「光」がお題だった今年の歌会始で、皇太子さまが詠まれた歌だ。高校1年生の頃に登られた山梨県と長野県の境界に位置する金峰山の山頂付近で、「さしてくる光に導かれるように歩みを進められたときの御印象を思い出されつつお詠みになられたもの」(宮内庁ホームページ)だという。
大君と母宮の愛でし御園生(みそのふ)の白樺冴ゆる朝の光に
一方の雅子さまは、東宮御所のお庭にある白樺を歌にされた。言うまでもなく、白樺は美智子さまのお印である。「二十数年間過ごしてこられたことへの感謝のお気持ちを込めて、お詠みになられたもの」(宮内庁ホームページ)だそうだ。2013年頃までの歌会始では、毎年のように愛子さまやご家族にまつわる歌を詠まれていた雅子さまだが、新皇后としてのお気持ちの高まりを歌に表現されたようにも思える。
雅子さまのお召し物に共通した「ボルドー」
雅子さまは今年に入ってから、新年一般参賀だけでなく2月8日に行われた「青少年読書感想文全国コンクール」の表彰式などへも出席されている。この表彰式へは17年ぶりのご出席となった。雅子さまのお召し物に共通したのは「ボルドー」。新年一般参賀のドレスは、首もとと手首にとても上品なシャーリングが施されていて、新調されたもののようだ。オーソドックスなデザインながらビビッドな色合いが雅子さまらしく、新皇后としてのひとつのイメージカラーになさるかもしれないと、私は見ている。
次代に、皇太子さまはどのような「象徴像」を築かれるのだろうか。4月には『水運史から世界の水へ』という水についての講演などをまとめられた書籍が販売されるという。長年、水の問題にはライフワークとして取り組まれてきたが、 2018年の誕生日会見では「時代に即した新しい公務」について、「以前、私は、水の問題や環境問題、子どもや高齢者を取り巻く状況などに触れましたが、それらに限らず、今後も、新たな公務に対する社会の要請は出てくると思いますので、そうした公務に真摯に取り組んでまいりたいと思います」と述べられている。
さらに今年の誕生日会見では、雅子さまのご活躍を期待される分野として「雅子自身もいろいろ海外での経験もありますし、このグローバル化の時代にあって、国際的な取組など本人だからできるような取組というのが、今後出てくると思います。(中略)何かいい取組に将来出会うことができれば、私も大変うれしく思います」と述べられた。「時代に即した新しい公務」をいかにして現実のものとされるのか、国民からの視線が注がれている。