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世界でもとびぬけて長く続く天皇家126代 海外の王家と比べてみると……

2019年の論点100

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 今年、皇太子徳仁(なるひと)親王が即位し、第126代の天皇となる。神話的存在である神武天皇から数えた数字だが、実在したことが確実視されている第16代の仁徳天皇から数えても111代! これだけ続いた王家は諸外国では聞かない。

 今は存在しないが、フランス王家にはカペー家、ヴァロア家、ブルボン家と主に3つの王家があり、カペー家15代、ヴァロア家13代、ブルボン家8代で、全部足しても36代だ(大革命後の復古王政の2代を含む)。

 フランス王家とヨーロッパで覇を競った神聖ローマ皇帝(後にオーストリア皇帝)のハプスブルク家は、最初にドイツ王となったルドルフ一世から、第一次世界大戦によって最後の皇帝となったカール一世までで24代。

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 現在のイギリス王室は、1714年、スチュアート家のアン女王に成人した子供がなかったため、ドイツのハノーヴァー選帝侯が迎えられ、ジョージ一世として即位。以来、エリザベス2世までで11代である(家名はハノーヴァー家、サクス=コバーグ=ゴータ家、ウィンザー家と変更されているが、同じ家)。

皇太子徳仁親王 ©JMPA

 デンマークは10世紀には王制が敷かれ、日本に次いで2番目に古い君主国(仁徳天皇の在位は4世紀末から5世紀はじめと推定されている)とされることがあるが、王家は頻繁に替わり、現在のグリュックスブルク家は、1863年に即位したクリスチャン9世以来、マルグレーテ2世女王までで5代なのである。

 日本とヨーロッパでは継承法や考え方が違うので、単純に比較はできないが、いずれにせよ日本の天皇家が飛びぬけて長く続いた家門であることは間違いない。