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全て刊行したあかつきには……?

谷原章介さん ©石川啓次/文藝春秋

佐伯 はい。2021年の春先まで、2年以上かけて出ることになります。

谷原 51巻、全て刊行したあかつきには、新作もあるかもしれない……。

佐伯 どうでしょうか。新作書いて悪いわけじゃないだろうし、自分の頭の中でアイデアが形になった時には……。27歳の、あの関前での悲劇の日からずっと磐音を書いてきた。僕も80に手が届くような歳になってきて、そうした年齢を意識し始めた磐音を書くのもいいのかな、という気持ちもあります。藤沢周平さんの『三屋清左衛門残日録』みたいに。人間みんな歳を取っていくんです。

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谷原 そうですね。老いていく……僕はいま46歳で。

佐伯 まだまだ。

谷原 まだまだ元気ではあるのですが、徐々に意識すると言いますか。81歳の父親と一緒に暮らしているんですね。父がだんだん弱っていくのを見ると、ああ、僕もやがてこうなっていくのかなと、日々自分の老いのことも考えていくようになっています。

佐伯 書かなきゃいけないのかな。

谷原 読者としては、読みたいです。すごく読みたいです。

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佐伯 泰英

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