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「問題意識」を伝えたこと以外は「記憶がない」のオンパレード

衆議院予算委員会で答弁に臨む中江元哉前首相秘書官(左)。右は厚生労働省の姉崎猛・元統計情報部長=25日、国会内 ©時事通信社

中江元哉 前首相秘書官(現財務省関税局長)
「検討の途中や結果の報告を受けた記憶はない」

毎日新聞 2月15日

中江元哉 前首相秘書官(現財務省関税局長)
「全く記憶がない。客観的に言えない」

毎日新聞 2月20日

中江元哉 前首相秘書官(現財務省関税局長)
914日に厚労省の人から説明を受けた記憶がない」
朝日新聞デジタル 2月21日

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 中江氏は厚労省に「問題意識」を伝えたことは認めたが、それ以外のことは「記憶がない」のオンパレードだった。

 中江氏から「問題意識」を伝えられた厚労省は2015年6月、調査方法を見直すための「毎月勤労統計の改善に関する検討会」を発足。8月7日に開かれた検討会の5回目の会合では阿部正浩座長が「総入れ替え方式で行うことが適当」と表明したが、9月14日に「部分入れ替えを検討すべきではないかと関係者から意見があった」と厚労省の職員が阿部氏にメールを送った。

 中江氏は2月15日の衆院予算委員会で検討会について「検討の途中や結果の報告を受けた記憶はない」と主張。しかし、阿部氏に送られたメールにあった「関係者」について、2月20日の衆院予算委員会で根本匠厚労相が「事務方に確認したところ、詳細は不明だが、中江元哉首相秘書官のことだと思われる。当時の担当部長からそういう話を聞いている」と答えた(朝日新聞デジタル 2月20日)。つまり、中江氏は検討の途中や結果の報告を受けていた、ととれる。

 また、9月14日に姉崎氏らと面会したことについて、中江氏は20日、21日の衆院予算委員会で「記憶がない」と釈明した。しかし、中江氏は「当時の私の問題意識からすれば、専門的な検討を進めてもらったらよいと言ったかもしれない」とも述べている。