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火に油を注いだ学大附属のコメント

 しかし、である。3月8日配信のJ-CASTニュース記事「日比谷高校『異例の2次募集』の深層 東京受験戦争の裏側を解き明かす」(https://www.j-cast.com/2019/03/08352242.html)において掲載された学大附属のコメントに愕然とした。

 以下、抜粋引用。

<J-CASTニュース編集部が7日、学芸大附属高校に書面で取材を申し込んだところ、翌8日に大野弘学校長名義で次のように回答を得られた。

 入学手続きをしていただいた受験生は、転勤等のやむを得ない理由を除いて入学していだけるものと考えておりましたが、ネット上にあるように『入学金だけ出しておけば良い』というような指導が塾等でなされていたとすると残念なことです

 本校が第1志望であるなら、入学を辞退するとは考えておりませんし、本校が第1志望でないなら、入学手続きをしないと考えておりました>

各学年8クラスが学ぶ学大附属高校(筆者撮影)

「他校合格による入学辞退があることは考えておりません」

 ちなみに、学大附属は本年度の入試に先駆けてホームページで次のような態度を表明している。

■入学辞退について 
<(中略)入学料納入後は、(中略)「入学手続き完了後、保護者の転勤にともなう転居等」のやむを得ない事情が生じた場合以外、他校の合格等の理由による入学辞退があることは、本校としては考えておりません>

 ギリギリまで悩んで進学先を決め、納得できる形で受験を終えたいという受験生の切実な気持ちに寄り添う視点が感じられない。しかもネットの情報をもとに、今回の混乱が“塾のせい”であるかのような印象操作である。

 たとえば「日比谷がダメなら私立高校ではなく学大附属に行きたい」という受験生は多いはずだ。その場合、5万6400円という安くはないお金を払って学大附属の入学資格を確保しておいて、日比谷の結果を待つしかない。それを「ズル」だと言うのか。「うちに第2志望で来られても困るので、日比谷がダメなら第3志望か第4志望の私立高校にお行きください」というスタンスなのだろうか。

 “塾のせい”というのも見当外れである。ただ学大附属の合格実績がほしいだけなら、合格した時点で目的達成であり、入学手続きのために5万6400円も支払う必要はない。5万6400円を支払ったということは、公立高校がダメなら学大附属に進学したいと本気で思っているということだ。

学大附属高校の校舎(筆者撮影)