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では学大附属の真意は? 直接聞いてみた

 学大附属に文書にて質問した。質問内容と得られた回答は以下の通り。

【質問1】御校としては「第2志望なら入学手続きはしないはず」との考えを表明していますが、御校を第1志望としながら不合格になる受験生もたくさんいるはずです。彼らは第2志望あるいは第3志望の学校に進むことになります。御校は、その事実と、御校自身の「第2志望なら入学手続きはしないはず」というスタンスとの整合性をどうとらえているのでしょうか。

【質問2】御校に合格し、速やかに入学手続きをすませ、都立高校受験を見送った受験生の中にも、第1志望の私立高校で不合格になり、第2志望として御校への入学を決めた受験生が一定数いるはずです。私立不合格で御校第2志望の受験生と、都立不合格で御校第2志望の受験生は何が違うのでしょうか。どちらも歓迎されるべきではないでしょうか。

【質問3】塾が御校の合格実績を稼ぐためだけに、わざわざ5万6400円の入学金を支払うよう受験生に指導することは論理的に考えてあり得ません。入学金を支払ったあとに入学を辞退するケースがあるとすれば、それは都立高校が第1志望ではあるものの、そこが不合格であれば第2志望として御校に行きたいと本気で思っている受験生であるはずです。塾が受験生のその気持ちに寄り添い、「安くはない金額ですが、学大附属の入学手続きをしておいて、都立の結果を待ちましょう」とアドバイスすることはそれほど非難されるべきこととは私は思いません。「入学手続きをしていただいた受験生は、転勤等のやむを得ない理由を除いて入学していだけるものと考えておりましたが、ネット上にあるように『入学金だけ出しておけば良い』というような指導が塾等でなされていたとすると残念なことです」という御校のコメントが報道されていますが、具体的に何が「残念」なのでしょうか。その真意を教えてください。

【学大附属からの回答】

【質問1と質問2について】

<本校が第2志望校等であって本校に入学する生徒に対して、不利益な対応をすることは全くありません。むしろ、その生徒たちが本校に進学してよかったと満足してもらえるように支援していきたいと思っております。>

【質問3について】

<先に述べた通り、不適切な内容であったと反省しております。本校を辞退した生徒にはそれなりに理由があったと思います。また、本校の入学手続きの変更に関しての周知が不十分だったこと等、本校が反省すべきことが多々あったと考えております。>

※回答全文は、画像参照のこと。

学大附属から届いた大野弘学校長名義での回答全文

 私が質問状に込めた意味を理解してくれたうえで、意図的に論点をずらしているのならまだいい。今後何らかの改善があるかもしれないから。しかしもし私が質問状に込めた意味自体を理解してもらえなかったゆえのこの回答のなら、私は暗い気持ちになる。どちらなのかは、読者のみなさんに判断を委ねたい。

 銀杏の巨木が取り囲む荘厳な校舎に一歩足を踏み入れれば、東京第一師範学校以来の伝統の重みがずしりと伝わってくる。ちょっとやそっとのことでダメになる学校ではないはずだ。伝統校だからこその柔軟性と懐の深さを、ぜひこの機会に発揮してほしい。「学芸大学=リベラルアーツカレッジ」の名に恥じぬよう。

 私たちは今回の混乱を、高校入試制度のあり方そのものを問い直す機会ととらえるべきだろう。そもそも「公立高校は辞退できない」という不文律はアリなのか、都立高校はなぜ繰り上げ合格を出さないのか、など。最も大事なのは、受験生が悔いのない選択をできるようにすること。それが大人の役割であるはずだ。

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