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3カ月で100万部超 樹木希林の“ことば”はなぜ心に刺さるのか

新書『一切なりゆき』ベストセラーの理由

 昨年9月に75歳で亡くなった女優・樹木希林さんの生前のインタビュー記事などから154のことばを編んだ『一切なりゆき ~樹木希林さんのことば~』(文春新書)が12月20日の発売から3か月あまりで累計発行部数100万部のベストセラーとなった。

『一切なりゆき ~樹木希林さんのことば~』(文春新書)

 新書のベストセラーといえば、阿川佐和子さんの『聞く力』(文春新書)が2012年の年間ベストセラー第1位となる大ブームを起こした過去を思い出すが、1月の発売日から12月の100万部到達まで11カ月を要していた。そう考えると、没後半年となる個性派女優の語録がこれほど売れ続けていることが、いかに異例の事態であるかがお分かりいただけるだろう。

 ヒットの理由を、読者から寄せられた感想や販売データから読み解いてみたい。

 まずは、次の感想をご紹介しよう。

誰にも媚び諂うことなく、ご自身の考え方や生き方を貫く希林さんの姿勢、素敵だなあと思いました。翻って自分自身はというと、周囲の目を気にしてばかりで「こうでなければ」という思い込みにがんじがらめになってしまっています。希林さんの言葉は説教めいたところがなく、するすると心に入ってきますね。本書はこれからもずっと折に触れて読み返したい一冊です。この本に出会えて良かった!!(41歳 女性)

表紙の希林さんのお顔が優しく可愛らしくて素敵です。「そうそう」とか「なるほどなるほど」と共感出来るお話が多く楽しみながら一気に読んでしまいました。薄くて小サイズの本なのでバッグに入れて持ち歩き可能も嬉しく、病院等の待ち時間でも気楽に読めます。何度でも繰り返して読みたい本は少ないですが確実にそうなりそうな大事な本です。(70歳 女性)

発売前にネット予約で本を買ったのも、読み終えてからも毎日手に取って又読んでいるのも初めてのことです。(71歳 女性)

樹木希林さんの死に衝撃を覚え、この本を一気に拝読しました。希林さんのように、人生をさらりと全うしたい、と思いましたが、実はさらり、ではなく、内面にはドロドロとした女性らしさを卓越したものがあったのでは、と想像させられるものでした。その上で、さらりと凛として生き旅立った希林さんはすごいとどっぷり感じた一冊でした。だらけた日々になった時々に、読み返し背筋を伸ばそうと思います。(61歳 女性)

 何度でも読み返したい、ここで紹介した以外にも、同じような声が多く寄せられている。また、

売り切れ、売り切れで結局1月の中頃に読みました。折り紙の仲間、銭湯の仲間、何人もの人に読まれ、樹木希林さんの生き方も話し合いました。(77歳 女性)

 というように、本について語り合った人、本を贈った、贈られたといった人も多く、感動の輪がクチコミで広がって行った様子が見て取れる。