昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

3カ月で100万部超 樹木希林の“ことば”はなぜ心に刺さるのか

新書『一切なりゆき』ベストセラーの理由

選び出すより削るほうが大変だった

 この本の編集を手がけた石橋俊澄は、編集の経緯についてこう語っている。

「樹木希林さんが亡くなったあと、雑誌記事から過去の発言を調べてみると、心に迫る名言がたくさんありました。そこで本格的に大宅壮一文庫(雑誌専門図書館)から資料を取り寄せてみたところ、1本の記事に何カ所も素晴らしい言葉がある。選び出すより削るほうが大変で、膨大な資料のなかから涙をのんで絞り込み、ようやく150本くらいまで減らして1冊に収まりました」

 

 樹木希林さんの発言のなかでも選りすぐりの名言を集めたことが、感動を呼んだひとつの要因と言えるだろう。

 表紙には樹木希林さんが生前特に気に入っていたポートレートをつかい、タイトルは色紙に好んで書いていたことばから採った。

どんなことばが読者の胸を打ったのか

 では、どんなことばが読者の胸を打ったのだろうか。

人生は楽しむのではなく面白がる。希林さんのユーモアには思わず笑ってしまいます。(66歳 女性)

人生は、いろいろな事がおこりますが、希林さんの“面白がって”という言葉が一番心に残りました。まさにそうなのですね。読みおえて、私の過ごし方も、“面白がって”楽に生きる!!という様に変わりました。(44歳 女性)

どの言葉も、いいなあと思えるものばかりですが、中でも一番響いたのは「一回ダメになった人が好きなんです」という言葉です。私は、すぐ落ち込んで、俺はダメだと思ってしまう。いろいろなことを気にせずに、問題をさっさと解決してさっそうとすすんでいくまわりの人にとても劣等感を持っていましたが、こういう人もいるんだ、こういうものの見方もあるんだと思えて、とても肩の力が抜けました。(56歳 男性)

「モノを持たない、買わないという生活は、いいですよ」の言葉が、新聞の書籍紹介に書いてあり、この本に興味を持ちました。常々、自分が死ぬときは自分の荷物を段ボール箱一つくらいにして死にたいと思っているので、モノに対する希林さんの考えにすごく共感できました。(51歳 女性)

アラフォー・アンチエイジング・プチ整形とマスメディアはキラキラと若く若くと女性を煽りますが、希林さんは、ひっぱったり、ぬいちぢめるのではなく、つつましく色っぽいのが最高の色気(P152)と言いきります。凜としたよい年を重ねたいと本から学び納得した私です。(74歳 女性)

自分の変化を楽しんだほうが得ですよの所、まさにその通りです。(64歳 女性)