ついに『ブラタモリ』が全都道府県を制覇!「最後の県」である徳島に来た! 来たというのは、私が現在徳島市民だからだ!

タモリ ©文藝春秋

 半月ぐらい前から「新町川にタモリがいたぞ!」「まさか徳島に!」「忘れられてなかった(涙)」とか近所で騒然となっていた待望の『ブラタモリ』徳島回、「阿波踊りはなぜ生まれた?」。やっぱり。それぐらいしかとっかかりはない徳島。住むとわかるが、高速バスで神戸まで二時間弱、東京へ飛行機で一時間(LCC未就航で運賃高い)というはんぱにどこからも遠い、特産品にワカメとすだちぐらいしか思い浮かばぬ地味な土地柄、全国区物件は阿波踊りしかない。

 私は、タモリは『ブラタモリ』にも飽きている、とみている。それぞれの土地に「聞いてみればなるほどと感心するネタ」はあるがそれが百回以上も続くとネタとして凡庸なのも出てくるし物珍しさにも慣れて感動も薄まるというもの。タモリはそこでよくあるバラエティ的リアクションなどせず、興味をそそらないものは正直に半笑いや、これいつまでやるんですかね、などと「ぼそっ」とつっこんだりしてつまらなそうなのがわかっちゃう。こんな調子でいいのか、とちょっと不安になったりする。

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 阿波踊りの秘密を探るにしても、なんで普通の盆踊りみたいに輪になって踊らないのか、なんでここまで発展したのか、というような話を実演つきで徳島の物知りな人や舞踊の研究家が教えてくれて、なるほどーと思いはするものの次の瞬間には明日の晩ごはんどうしよう、とか考えてしまう程度の話で、タモリもその程度の反応。

 しかし、徳島市民には別の見どころが一つあった。