今年の千葉ロッテマリーンズは一味も二味も違う。何かが起きそうな匂いがプンプンと漂う。その象徴がホークス戦である。なんとここまで2カード戦い、5勝1敗と圧倒しているのだ。昨年の日本一。そしてあらゆる野球解説者が1位のグリグリ◎の本命に推しているチーム相手である(野球解説者のマリーンズ順位は平均して5位)。ぜひ、野球解説者の皆様の言い訳を聞いてみたいものであるが、それはもう少し先の楽しみに取っておこう。

 ちなみにマリーンズは4月18日時点で7勝。勝ちのほとんどがホークス戦なのである(他のチームにどんだけ負けてるねん! という議論をするつもりはない。あくまでホークスに強いことに今は集中すべき)。このカード、昨年は9勝15敗1分け。カード勝ち越しは2013年までさかのぼらないといけないほど数字的にはこれまで圧倒された相手だが、今年は完全にネギを背負ってやってくるカモだ。

4月18日、昨季日本一に輝いたホークス相手に3連勝をマーク ©堀慶介

何年ぶり? マリーンズの“連続完封”記録

 勝ち方がまた圧巻だ。最初のカード2戦目、4月6日のヤフオクドームでの試合では1985年以来の開幕8試合連続本塁打を達成し、昨季は42試合目で到達したチーム18本塁打に、今季はわずか8試合目で到達した。2カード目が終わった4月18日時点でチームは23本塁打でそのうちホークス戦は9本塁打(チーム本塁打数は12球団で巨人に次いで2位。パ・リーグ1位)。12球団トップの層を誇るホークス投手陣を粉砕する破壊力を示している(ホームランラグーン効果かどうか、チーム戦略部を新設したからうんちゃらという議論が今回のメインテーマではない。あくまでホークスに強いという現実だけに集中しよう)。

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 投手陣も鉄壁。4月16日、17日の本拠地ZOZOマリンスタジアムでのホークス戦では連続完封。マリーンズの2試合連続完封勝利は16年8月11日の楽天戦、12日のソフトバンク戦以来で3年ぶり。ただしホークス戦に限ると机の引き出しの中のタイムマシンに乗って、大きくタイムスリップをする必要がある。ホークス戦連続完封は東名高速道路が全通し、テレビアニメ『サザエさん』放送開始、人類初の月面着陸した1969年以来。

 ただ、少しばかり待って欲しい。この時は試合の間に他カードを挟んでおり、カード連戦の完封はさらにさかのぼる必要に迫られる。もう一度、タイムマシンに乗って1957年へ。前身の毎日時代の4月27日、28日以来なのだ。相手もまたソフトバンクの前身のダイエーを飛び越えて南海。この年、岸信介内閣が成立し、五千円紙幣(聖徳太子の肖像)、百円硬貨(鳳凰)を発行。東海道新幹線が開通するはるか前の時代に2試合連続1対0の勝利。実に62年ぶりの快挙となった。ちなみに2試合連続で2安打以下の完封は球団史上初というから、これはもうお祭り。どんちゃん騒ぎ。吉兆である。