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連載『めちゃイケ』、その青春の光と影

『めちゃイケ』には……血の味が混じっている

 そういう、まあグリーフワークみたいなことをやっていくうちに自分の精神状態も落ち着いてきて、入社以来30年で、初めてと言っていいくらい、映画を見たり、ライブに行ったり、本を読んだりし始めたんですよ。子供の頃からテレビばっかりで恥ずかしいくらい映画とか見てこなかったので、「ああ、『エイリアン』ってこういう映画なんだ!」とか「小津安二郎のローアングルってこれか!」とか「『ラン、ランララ、ランランラン♪』って『風の谷のナウシカ』だったのかよ!」って(笑)。

 そんな中、文春オンラインからは何度も取材依頼をいただいていたけど、それを受ける気にはならなかった。だから曖昧なお返事をして濁してたんだけど、正直それで諦めてくれると思ったんですよ。だけど、なかなか諦めてくれないから、いよいよ逃げ切れないなと思って(苦笑)。ありがたいことに御社の他にもたくさんご依頼はあったんですけど、こうして取材を受けるのに時間がかかったのは、『めちゃイケ』の22年を「楽しかった」の一言では言い切れない思いがずっと続いていたから。

金メダルと一緒にプレゼントされた記念品。卒業証書もあったのだから、ということで卒業アルバムと小さな瓶の中身は最終回ラストカットの海岸の砂 ©フジテレビ
卒業アルバムには片岡による殴り書きの直筆コメントが随所に印刷されている ©フジテレビ

 もちろん一緒に汗をかいて頑張ってくれたメンバーやスタッフには感謝で一杯なんですけど『めちゃイケ』っていうのはなんというか……いざ1人になって見返したり思い出したりすると、汗や涙どころじゃなくて、なんかもう、血の味が混じっているような気になるんです。痛みがあるというか……うん、だから『めちゃイケ』のことを語る言葉はなかなか用意できませんでした。あとは、メンバーとスタッフを全員卒業させて、自分だけは喪に服しているみたいな気持ちもあったけど、こうして1年が経って『めちゃイケ』の喪が明けたと思えば、少しは意味も見出せるのかなって。

 だって文春オンラインの依頼ってたぶん昨年の3月くらいからですよね? で、「まだ難しいです」って言っているのに、夏が終わって、秋が過ぎて、冬が来てもメールが来る。「取材のお気持ちの方、いかがでしょうか?」って。必ず月末に、御用聞きみたいに(笑)。今回は御社の熱意とあと、てれびのスキマさんへの興味もありました。ここまで来たらもうなんでも話しますよ。