「岡村さん、『めちゃイケ』…終わります」「えっ……」
結果はご存知かもしれませんが、岡村は史上最大の頑張りを見せて、ライブは大成功した。ダンスのクオリティはもちろん、「EXCITE」に出てくるニセショッカーのブラックスカルまで(笑)。本当に素晴らしかったです。それでスペシャルの直後「47歳でも俺はまだまだできる」って満足感いっぱいの岡村に突然『めちゃイケ』の終了を伝えに行ったわけです。当日は大知くんやダンサーたちへのオンエア後のフォロー企画みたいなのがあって、ブラックスカルのマスクを被った岡村がロケ終わりにロケバスに帰ってくると、その日のロケには参加していなかった総監督の僕が待っていて……。岡村は「何かある!」というのをすぐに察知した。
僕は一応、オンエア後の反響なんかをインタビューしてるんだけど、彼はたぶん心の中で「飛鳥さん、本当は何しに来たんだ?」と(笑)。僕は僕で長い時間考えて決意して岡村に会いに来たはずなのに、言葉にできたのは長い雑談のあとで、
「岡村さん、『めちゃイケ』…終わります」
「えっ……」
今日までこのシーンはちゃんと見返せてないです。ただ自分にしか出来ない役目だと思って話しました。きっと動揺した岡村も、それを最初に聞くのが自分の役目と思ったのかもしれません。
意外だった加藤浩次の「マジで?」
で、そのあとはメンバー一人ひとりに岡村と番組の終了を伝えに行ったんですけど、みんながみんな、オファーシリーズ大成功直後の知らせにびっくり。全員酸いも甘いも知ってるベテラン芸能人なのに固まってました。加藤浩次なんて肝の据わった大人の男ですから、「なるほど、しゃあねえな」とか言うかと思ったら、あいつが一番「え?」って動揺して「マジで? マジですか?」と。たぶんですけど『めちゃイケ』をずっと見てくれていた人たちも同じようなリアクションだったはずで、まずはみんなの記憶に残る「シュウ活」のスタートになった。ただメンバーは混乱しながらもこちらの思いを理解してくれました。それは1993年に『とぶくすり』から始まって、『めちゃモテ』を経て『めちゃイケ』へと何度も始まりと終わりを繰り返してきた中で、番組が終わったからといって、この関係性までが終わるわけじゃないって無意識に感じたこともあるのかなと。濱口が唯一、報告を笑い飛ばしたのも彼なりの意志に見えました。「いろいろあるけど、ここは笑っとこ」みたいな。
「シュウ活」をしようと思った時に、最終回は、岡村のウソ結婚式でのみんなの祝辞で終わっていくというところまで、自分では想像していたんですけど、この日のリアクションを見て、これからの半年間、メンバーがどんなことを感じるんだろう。それをそのまま「テレビ」にしていけば『めちゃイケ』なりのエンディングノートになるはずだと思ったんです。この極秘ロケの時点でオンエアまで10日くらいかな?……まあ最終的に世間に発表したのは我々じゃなくてたむけんでしたけど(笑)。
(※片岡からプライベートのメールで『めちゃイケ』の終了を伝えられた芸人のたむらけんじがなぜか感極まり、正式発表ではないスクープ記事に対し、SNSで「事実でした、涙があふれる」と拡散し大騒動になった。)