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篠山紀信撮影の写真集で「覚悟」を決めた元キャンパスクイーンが初ヒロイン役を掴むまで

女優・高尾美有インタビュー

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「物心ついたときから『女優になりたい』と思っていて、小学校の卒業アルバムにも書いたんですよ。正直、それ以外の仕事をしようと考えたことはありません」

©白澤正/文藝春秋

 こう語るのは、元キャンパスクイーンで現在女優の高尾美有さん(23)。表現者としての本格的なキャリアは、篠山紀信さんによる写真集シリーズ「Première」への出演から始まった。発端は、高尾さん含むキャンパスクイーン卒業生3名の、「いまの自分を表現したい」という熱い想い。彼女たちがその想いを事務所の社長へ直訴したところ、篠山紀信さんとのセッションが組まれ、「Première」シリーズが誕生した。

『première ラリューシュの館』(小学館)より 左から、松井りな、高尾美有、結城モエ

「篠山先生にお会いする前は、こわい人だと思って緊張していたんです。でも、実際はやさしく話しかけてくださって、とてもフレンドリー。打ち合わせ中は、『高尾はどうしたいの?』と何度もたずねてくれました。撮影現場は常にスムーズでした」

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『première miyu takao』(小学館)より

「篠山紀信のポートレート写真集」といえば、連想されるのはやはり「ヌード」だろう。高尾さんも、「Première」の中でヌードを披露している。カメラの前で一切を脱ぎ捨てることに、葛藤はなかったのだろうか。

「もちろん、決断には時間がかかりました。ずっと長い時間をかけて悩んでいて、ある時、母に相談しようと思って電話したんです。そうしたら、『あなたが女優という道を決めたときから、こうなることもあるだろうと覚悟を決めていたのよ』って言われて。『なんで母が覚悟を決めているのに、私は覚悟を決めたつもりで、全然出来ていなかったんだろう』と思ったら、すごく悔しくて。電話を切ったあとに一人で泣いてしまいました。

 でも、最終的にヌードになると決めたのは自分です。一度決めたら、そこから1ミリも気持ちはブレませんでした。『Première』では、その覚悟のようなものが表情に出ていると思います。今、この表情をしてくれって言われても、もう出せないんじゃないかな」

『première ラリューシュの館』(小学館)より