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 一世一代の撮影を終えて、表現への向き合い方に変化が起きたという。

「これまでは、舞台の稽古中も、それが仕事なのに、人前で演技するのが恥ずかしいという気持ちがどこかにあったんです。でも、『Première』を出してからは、そういう気持ちが全くなくなって。自分の中では、『ここまで来たら、前進するのみ』という感じです」

『première miyu takao』(小学館)より

 そうした変化が幸運をもたらしたのか、4月11日から上演される新作舞台「Partners パートナーズ~ありがちな結婚~」にて念願の初ヒロイン役を掴んだ。脚本・演出をNHKドラマ「洞窟おじさん」の脚本家・児島秀樹さんが手がけ、キャストに渡辺裕之さん、長谷直美さんらベテラン俳優陣が並ぶ。

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「私にとって初めてのヒロイン役。舞台のチラシには3番目に名前が書いてあるんですよ! プレッシャーは半端じゃないです」

 物語は結婚式前日の夜。式のリハーサルが終わると、どうやら新郎の両親は自分たちの離婚話で揉めている。一方、新婦の母親は今カレと結婚式を挙げようと企み、そうこうしているうちに、新郎の元カノまで現れ……と、笑いあり涙ありのドタバタ劇が繰り広げられる。

「1つ1つのストーリーと、舞台全体のスピード感が見どころになるのかなと思います。今は脚本を読み込んで、私の演じる『サキ』というキャラクターに向き合っています。共演する皆さんの演技についていけるよう、精一杯がんばりたいです」

©白澤正/文藝春秋

 冒頭で、「物心がついたときから女優になりたかった」と語った彼女だが、一度だけ、その夢を諦めかけたことがある。

「大学4年生になった時に、やっぱり現実が見えてきて。就職したほうがいいのかなと思って、ちょっと就活をしていた時期はあったんです。ただ、面接で自分の言ってる言葉が、100パーセント嘘しかないことに気づいちゃって。心ここにあらずというか。それで、その時もすごく悩んだんですけど、根はポジティブな人間だから、『人生1回しかないし、とりあえずやってみよう!』と。『ダメだったら、そのときに考えよう』と思って、ここまでやってきました。これからも、自分の中で限界を決めずに、あらゆることに挑戦していくつもりです」

©白澤正/文藝春秋

Premiere 高尾美有

篠山 紀信

小学館

2018年12月4日 発売