「見てください! カルビーの工場です! 普段食べているポテチ、さて、どうやってあんなにおいしいものを作っているのでしょうか?」

 レポートをしているのは中国人の密子君。中国のSNS「ウェイボー」で1104万人ものフォロワーを持つインフルエンサーだ。2月28日、製菓大手カルビーの京都工場を訪問した動画を公開したが、3月25日現在で動画の再生回数は中国国内を中心に685万回を超えている。

密子君のカルビー探訪動画より(インアゴーラ提供)

中国のインフルエンサー市場は日本の30倍以上!

 ユーチューバーなどインフルエンサーを広告に起用するのは日本でも珍しくないが、中国の規模は日本をはるかに上回る。三菱UFJリサーチ&コンサルティングのレポート「口コミサイト・インフルエンサーマーケティングの動向整理」(2018年9月19日)によると、日本のユーチューバー市場規模は313億円(2018年、予測値)だ。一方、中国はというと、調査会社iResearchが発表した報告書「中国インフルエンサー経済発展洞察報告」(2018年)によると、2018年のストリーミング市場規模は676億6000万元(約1兆1100億円、予測値)、TikTokなどのショートムービーで195億2000万元(3201億円、予測値)に達している。

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 人口では日本の10倍の中国だが、インフルエンサー市場では日本の30倍以上もの規模に達しているわけだ。日本のはるか先をひた走る「インフルエンサー経済先進国・中国」は市場規模だけではなく、さまざまな場面でインフルエンサーの活用が進んでいる。インフルエンサーの薇娅は、2018年11月11日、ネットセール「ダブルイレブン」で、24時間で3億3000万元(約54億円)もの売り上げを叩きだした。こうした大物インフルエンサーから、フォロワーの数は少ないがユーザーとコアな交流ができるマイクロインフルエンサー、SNSや動画を通じての物品販売を行うソーシャルバイヤーなど、巨大な雇用を生み出している。