愛されるだけではいけない。燃えてこそ、コンテンツ。
そして、1か月も経てばみんな怒りも冷めて、他の話題に移っていくでしょう。いっときは、みんな忘れてくれます。あんなに「アンチだ」「批判だ」「罵倒だ」がネットに充満していたのも、過ぎれば嘘のように霧が晴れます。でも、そこからまた野心を滾らせて燃えた山からにょきにょきと新芽が出て欲望の森にまで復活できるのかどうか。その人に本当の実力があったのか、単なる大人の事情で売り出されただけの存在であったのかが分かる日が来ます。カロリーを維持できる人は何度でも立ち上がり、火災を起こし、天高く煙を噴き上げて灰燼に帰しても、また再び可燃性の幹や枝が大地を覆うのです。
愛されるだけではいけない。燃えてこそ、コンテンツ。アンチと信者が本人を巡って言い争いをし、批判と擁護が交錯する状況そのものが売りになる世界がネット社会なのだとするならば、女性最大の資産である「美しさ」だけが賞味期限を超えて人々を楽しませることのできる桃源郷もこの焼け野原の向こうにあるのでしょうか。
人が精いっぱい生きた証の、その先
ただまあ、くれぐれも生まれてくるお子さんの人生そのものまで左右するような燃え方をしないほうがいいだろうと思いますし、売り出す側もその子の実力を見極めてしっかりと固めていかないと何度でも下手を打って炎上することになります。ましてや、妊娠など初期流産も含めて切迫早産に流産死産は本当に起き得ます。まさかと思いますが、妊娠していなかったのに流産してしまいましたというコンテンツにして可哀想な属性を売りにすることはないでしょうけれども、妊婦はちょっとしたストレスで大変なことが起きてしまうので、無理なく最後まで母子健康で生まれてきてほしいと願っています。
また、担がれて銭湯絵師で売り出されたにせよ、これを糧に自分なりの作風を編み出し、何か見返せるだけの作品にまで昇華させられる日が勝海麻衣さんに来ることを祈ります。その境地に辿り着くまで、何年かかったっていいじゃないですか。炎上した経験があるからこそ、そのとき指さして笑った人たちを見返せることもあるのは真理ですが、それは燃えても頑張った、大事にしてくれる人と復活に向けて努力したときだけだと感じます。
人が精いっぱい生きた証として燃え焦げた黒歴史があったのだとしても、笑って振り返ることのできる余裕を持てる日が来るといいと願っています、かなり本気で。ああいうやらかしによる苦難があったから、いまの自分があるのだ、と言える日が。