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●一心寺

 茶臼山の北に隣接した一心寺には、夏の陣の最後の戦いで家康が信繁に追い詰められあわや討たれるというその時、霧を吹いて窮地を救ったという「霧降(きりふり)の松」がある。もちろん史実ではないが、こういった伝説・伝承の類を楽しむのも歴史探訪の醍醐味の1つだろう。

一心寺の北門を入って階段を登った左手すぐのところにある「霧降(きりふり)の松」。当時の松は枯れてしまい根本の幹部分しか残っていないが、新しい松が植えられている
一心寺本堂
一心寺にも「真田の抜け穴」がある。大阪にはこのような真田の抜け穴伝説が10数カ所ある。そのほとんどは、大阪人が信繁の神出鬼没の活躍に夢を託して、「真田の抜け穴」と名付けたものだという
ちなみに境内には徳川四天王の1人に数えられた本多忠勝の次男である本多忠朝の墓もある。忠朝は関ヶ原の合戦で武勲を挙げたが、酒の飲みすぎで夏の陣で戦死した。以後、酒を断ちたいと願う本人やその身内の参拝が絶えない

一心寺
所在地:大阪市天王寺区逢阪2丁目8-69
連絡先:06-6771-0444
アクセス:地下鉄御堂筋線「恵美須町駅」より徒歩約8分、JR、地下鉄御堂筋線・谷町線「天王寺駅」より徒歩約15分

取材協力/岩倉哲夫氏、大阪観光ボランティアガイド協会

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