石破氏のスローガンにかみついていた!
活躍も活躍、大活躍だったのである。こういう記事があった。
「石破氏 参院竹下派と連携腐心」(毎日新聞2018年8月24日)
石破茂氏が「正直で公正、謙虚で丁寧な政治をつくる」と主張したことに対して、参院竹下派を仕切る吉田博美氏は「個人的なことで攻撃することには非常に嫌悪感を感じている」と「苦言を呈した」というのだ。
あー、「正直・公正」という石破氏のスローガンあったなぁと思いだした方もいるだろう。それに真っ先にかみついたのが吉田氏だったのだ。
しかしなぜ「正直・公正」という言葉が安倍首相への個人攻撃だと判断したのか不思議だったが(それ、擁護にみえてマイナスになってないか)、とにかく吉田氏は石破茂をけん制した。
「アンパンマンのように笑ってください」
産経新聞には次の記事もあった。あの頃、安倍首相から電話があった吉田氏は首相にこう答えたという。
「私は石破氏の記者会見に頭に来ているんです。あれじゃ、首相に対する個人攻撃じゃないか。石破氏には『反安倍を掲げて総裁選をやるなら支持できない』と言ってやるつもりです」(産経2018年8月20日)
吉田博美は竹下派に所属しつつ、安倍首相とも近いのが売りらしい。なので師匠である青木幹雄が「竹下派は石破支持」という意向を示したとき、ずいぶんと板挟みになったに違いない。だからこその石破叩きで首相へのアピールだったとも思える。
そのあと吉田氏は石破氏と直接会い、こんな提案もしている。
「石破流、手本は金足農? 『ひたむきさ、心動かす』 自民総裁選」(朝日新聞2018年8月31日)
吉田氏は「我々は『金足農業』でやっていきましょう」と石破氏に持ちかけたという。さらに「石破さんにばいきんまんは似合わない。アンパンマンのように笑ってください」とも。
吉田氏の提案は「大阪桐蔭相手にさわやかに散れ」とも聞こえるし、「ばいきんまん」の比喩にいたっては総裁選で安倍首相と戦う人間はもはやバイキン扱いにみえる。
それらのお手柄もあってか石破氏の言動は鳴りを潜め、総裁選は安倍首相が勝利した。
そして今から読むと「あっ!」と思わせるのはこの記事だ。
「首相の欠点は『友人かばう』自民参院幹事長」(日本経済新聞2018年4月18日)
吉田氏が安倍首相の長所と短所をパーティーでスピーチしたのだ。その内容とは、
「安倍晋三首相の最大の長所は友人を大事にすることで、最大の欠点はその人たちをかばい切ることだ。駄目なものは駄目と明快にすることも大事な時だ」
この言葉、よーく味わってほしい。