4月1日からスタートした広瀬すず(20)主演のNHK連続テレビ小説「なつぞら」。通算100作品目となる今作は、ヒロイン役である広瀬の本格登場前から平均視聴率23.1%(4月10日)と好発進中。その原動力となっているのが、“頑固おやじ”柴田泰樹役を演じる草刈正雄(66)だ。独特の名演技と名セリフは朝からお茶の間の涙腺を崩壊させている。
このドラマはヒロインのなつが北海道・十勝を舞台にアニメーターを志す物語だ。
まさにハイジとおんじの関係性
「オープニングがすべてアニメーションというのは朝ドラ初の挑戦で、本編でも『アルプスの少女ハイジ』や『風立ちぬ』など様々な名作アニメがオマージュされています。主人公なつの幼少時代を演じる子役(粟野咲莉)と厳しくも愛情を持って接する草刈さんの姿は、まさにハイジとおんじの関係性ですね」
そう解説するのは40年にわたり朝ドラを見続けてきたライターの田幸和歌子氏。今作の草刈のように、物語に深みを持たせるベテラン俳優の演じる“名脇役おじさん”は歴代人気朝ドラでも欠かせない見所のひとつ。朝ドラ通の4氏に“推しおじさん”を聞いた。
「朝ドラにおいて『頑固おやじ』は大きなうねりを作る存在で、ヒロインが大人になるための壁となる役割を担うことが多い。また、頑固だったり融通が利かなかったり、怒鳴りつけたりする人物はヒロインの成長にとって欠かせない。そして、朝ドラ出演後に知名度が上がり大俳優となるケースもあります」(同前)
不器用だけどコワモテでかわいい
そんな田幸氏が選んだのは、「てっぱん」で養父役を演じた遠藤憲一(57)。
「短気ですぐに怒る。そしてすぐ泣く。泥臭くて暑苦しくて、不器用だけどコワモテでかわいい。今、ドラマに引っ張りだこになっている路線をお茶の間に浸透させたのがこのお父さん像です」(同前)
現在、情報番組「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系)でMCを務める高橋克実(58)も思い出深い“おじさん”の一人だという。
「『梅ちゃん先生』では、患者には笑顔でやさしいが、家族の前ではいつもしかめっ面の厳格な父を演じていました。当時すでにバラエティでも活躍していて、面白いキャラクターが認知されてから昔ながらの頑固なハゲオヤジを演じたのは斬新でした」