「天皇家に対して国民が求めているもの」が浮き彫りに
この結果に関して3名の有識者の見解を聞いた。
◇河西秀哉氏(名古屋大学大学院人文学研究科准教授)
「非常に興味深い結果です。私は天皇皇后のやってこられた『平成流』の帰結だと受け止めました。天皇皇后はこの30年、公正無私の精神に基づいた『象徴』のすがたを体現してこられました。戦没者慰霊の旅や被災地訪問など、『天皇家に私はない』というフィロソフィーが国民の圧倒的な支持を得ていたわけです。
今回、『A』の回答が全体の12%にとどまったのは、佳子さまがおっしゃった『一個人としての希望』が、『無私の天皇家』とは対照的なものとして、回答者の目に映ったからでしょう。これまで秋篠宮家の評価が皇太子ご一家に比べて高かったのも、プライベートを削って被災地訪問などをされてきたからです。今回の結婚問題をきっかけにして、『愛子さまを天皇に』といった声がネットを中心に出てきていますが、思いがけない形で『天皇家に対して国民が求めているもの』が浮き彫りになったのだと思います。しかし、公を重視しすぎてプライベートが軽視されるのがよいのかも考える必要があるでしょう」
◇辛酸なめ子氏(漫画家・コラムニスト)
「個人的には『B』と答えたいところです。正直、小室さん母子の金銭トラブルばかりに注目してしまうのですが、一人の女性として考えれば、『A』の『一個人としての希望がかなう形に』という意見も理解できます。せっかく7年近くも本気で交際した人と結婚できなかったら、ポッカリ空いた心の穴は簡単には埋められない。昔なら尼寺に行ってしまうところです。
周囲が引き離そうとしても無理でしょう。ご自身が小室さんに失望でもしない限り、眞子さまは諦められないと思います。たとえば、小室さんがアメリカでピザとかジャンクなものを食べて、太ったロン毛の男性になったら眞子さまのお気持ちも冷めるかも知れない。個人的には『小室さん、家に籠もってどんどんピザ食べてください』と思っています(笑)」
「開かれた皇室では、こういうことが起こり得るのだなぁ」と反省
◇本郷和人氏(東京大学史料編纂所教授)
「7割以上が『B』ですが、これは眞子さまの結婚を、わが娘の輿入れのように心配した“親目線”の回答者が多かったということでしょう。一方で『A』と答えた12%は、近代的価値観を皇室にも反映させるべきだという『開かれた皇室』の支持層なのかも知れません。
正直、私自身もかつては『閉じられた皇室などとんでもない』と考えていたのです。しかし現在ではどうかというと……、『開かれた皇室では、こういうことが起こり得るのだなぁ』とすごく反省しているところです。『本人が良いというのだから結婚したらいいじゃないか』という人もいるけど、彼らは眞子さまのご結婚を心から祝福しているわけではないと思う。僕はもうオヤジだから、あの可愛らしい箱入り娘の眞子さまが、幸せに結婚されたらいいなぁ、とただ願うばかりなんですよ」
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