1ページ目から読む
3/5ページ目

心地よいデザインで勝負するブランドも

「超高級」とは異なり、心地よいデザインなどで勝負するブランドも多彩だ。20年春に東京銀座にオープンする「アロフト」はマリオット系列でもとりわけデザインを重視したブランドで、世界20か国150棟の実績があるが日本では初見参だ。同系列のWホテルとコンセプトは近いが、Wホテルも21年2月に大阪の南船場に初上陸、337室を展開する予定だ。Wホテルは98年にアメリカ、ニューヨークに誕生したデザインホテルの草分けだが20年の時を経てようやく日本登場となった。

 IHGの「インディゴ」も大規模なスーパーラグジュアリーホテルとは一線を画し、地域性からインスパイアされたデザインに特徴をもたせ、小規模でも居心地の良いブティックホテルを目指している。既に世界で80棟を運営する。日本では神奈川県の箱根、愛知県の犬山といった温泉リゾートでの独自の展開を図る。

IHGが手掛けるインターコンチネンタルホテル(カンヌ) ©時事通信社

外資系ホテルがリスクを負わない理由

 作りすぎとも言われる国内の声をまるで無視するかのように外資系高級ホテルが陸続する日本だが、大丈夫なのだろうか。実は日本にやってくる外資系ホテルは、多くの場合、事業に対するリスクをほとんど負ってはいない。

ADVERTISEMENT

 外資系ホテルが日本に進出する場合には、「賃貸」、「MC(マネジメントコントラクト)」、「FC(フランチャイズ)」の3つの契約形態がある。賃貸は建物オーナーがホテル会社に直接賃貸する形式のものだ。実はこの形態のホテルはホテル会社側が運営リスクを直接負ってしまうためあまり行われてはいない。東京日本橋のマンダリンオリエンタルホテルや日比谷のペニンシュラホテルなど東京の一等地では実例があるが、外資系ホテルブランドはこの契約形態を基本的には好まない。