昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2019/05/02

こんな時代だからこそ、生観戦を

 ところで、スポーツを観戦時に観客に何が起きているかというと、それは脳科学の世界で言うと脳内物質が出ているに過ぎないそうです。10連敗しようが、石川さんがホームランを打とうが、その事象によって自らに起こる喜怒哀楽は、脳内物質の作用にすぎない。つまり、同じような体験を人為的に五感に体験させるか、もっとダイレクトに脳内に注入すれば、わざわざスポーツを観戦しなくても同じような気分になれるということです。

 ただ、世の中には脳科学だけでは説明できないことも山ほどあることもまた真実。人間が森に入るだけで脳内のα波が増えるのは、木々や森に住む生物たちが発する超可聴域の音を、“皮膚で”聴いているためだそう。音を耳だけで聴いていると感じるのは、人間には五感でしか感じることができないためで、気付いていないその他の感覚器官も実はあらゆる情報をキャッチしている可能性が高い。スポーツ(人間同士の)を生で観戦すると、プレイヤーの緊張感、喜び、悔しさをどういうわけか感じることができるし、5万人の歓声によって得られる“何か”は、おそらくデバイスでは再現できない。

“リアルでしか体験できないこと”以外の全てが、バーチャルで体験できる時代は、すぐそこまで来ています。そんな時代だからこそ、デバイスから流れるライブ中継ではなく、実際の球場で、生観戦してみてほしい。テクノロジーが進化すればするほど、人間同士が勝負する生の観戦に価値が生まれるかもしれません。令和時代こそ、球場に足を運んで野球を見ることをオススメします。

5月1日のヤクルト戦、お立ち台に上がる大和とドラ3・大貫晋一

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2019」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/11642 でHITボタンを押してください。

この記事の写真(1枚)

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春野球をフォロー