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美智子さまは純白の参拝服をお召しに
続いて、美智子さまを乗せたセンチュリーロイヤルが走行してきた。美智子さまは、清廉な印象を与える純白の参拝服をお召しになっていた。同乗していた伊東典子女官長は光沢のあるアイボリーの参拝服だった。
それからお付きの職員が乗る車両や報道バスなどが続き、長大な車列が実にゆっくりとしたスピードで進んでいった。ベテランの宮内庁担当記者の姿も見え、各社「外すことができない取材」だというムードがあった。
天皇陛下は「内宮では、三種の神器の剣と璽(曲玉)をそれぞれ持った侍従を前後に正殿前まで進み、玉串をささげて拝礼された。玉串は、同神宮祭主で、両陛下の長女黒田清子さんを通じて供えられた。続いて皇后さまも参拝された。」(読売新聞、4月19日)という。
そして、途中で気が付いたのだが、どうも車列には何も乗せていない「空のセンチュリーロイヤル」が走行していたようなのだ。センチュリーロイヤルは4台存在するというから、今回はそのうちの3台が走行していたということだろう。
この日の夕方、両陛下が近鉄賢島駅から、宿泊先の「志摩観光ホテル」に向かわれる際に乗車されていたのは、センチュリーロイヤルではなく普通のセンチュリーだった。都内の公務でもお見かけする車両で、サイドカーなどは走行しない警備体制だった。美智子さまはこの時、在位30年記念式典でお召しになっていた桜色のスーツをお選びになっていた。無事、参拝を終えられた両陛下がほっとした表情を浮かべられていたことが忘れがたい。