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最終日は、ブルーグレーのケープ風スーツを

「夜は、ホテルで黒田さんや神宮関係者らとの夕食会を開かれた。」(読売新聞、4月19日)という。ご家族水入らずのひと時をお過ごしになっただろうか。

 最終日、両陛下は近鉄賢島駅から名古屋方面に向けて、観光特急「しまかぜ」の臨時専用列車に乗車され、帰途につかれた。

©時事通信社

 車窓からは多くのお見送りの人々の姿を目にされただろう。列車が通るあぜ道や踏み切りの近くで、「ありがとうございました」という横断幕や「両陛下お疲れ様でした感謝」と1文字ずつ書かれたプラカードのようなものを持った人たちもいた。

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 この日の美智子さまは、ブルーグレーのラグラン袖でケープ風のスーツをお召しになっていた。やはり前日のスーツに近いデザインで、この襟のデザインによって、女性らしさとシャープでスタイリッシュな雰囲気を演出なさっている、と拝察した。美智子さまは、その場全体の雰囲気と衣服が調和することを、とても大切にされているのだと思う。さらに、美智子さまご自身の御髪ともよく似合うグレーがかったお色を、2日目と3日目はお選びになっていた。

ブラウンのスーツに身を包んだ黒田清子さん

 両陛下の臨時専用列車が出発してから約1時間後、ブラウンのスーツに身を包んだ黒田清子さんが静かに近鉄・賢島駅の改札を通って帰京したことはあまり知られていないだろう。美智子さまと背格好が似てこられたように思う。内親王は降嫁しても、内親王らしい美しさを秘めながら生活を続けられるのだと、強く感じた。

2005年11月15日、結婚式後の記者会見に臨む黒田清子さん ©JMPA