NHKの朝ドラ「なつぞら」は6週目に突入。ヒロイン・奥原なつは、大自然に囲まれた北海道・十勝で農業高校に通いながら、酪農や演劇に奮闘中だ。主役の広瀬すず(20)が演じているのは、のびのびと成長する健康的なイメージの高校生だ。取材班が広瀬の生まれ育った地元・静岡を訪ねると、そこにはデビューから国民的女優へと駆け上がった、まるで“現代版・奥原なつ”とも言えるような、負けず嫌いな少女の素顔があった。
「ジャージ姿で家の前の塀にボールを当てて」
戦争で両親を亡くし、北海道の柴田家に連れて来られた主人公・なつは、柴田家の長男・照男(清原翔)、同い年の長女・夕見子(福地桃子)、次女・明美(平尾菜々花)らと共に育つ。一方、広瀬自身は祖父の代から続く自営業を営む家に生まれ、3 人兄弟の末っ子として育った。広瀬が幼少期を過ごしたのは駿河湾と山々に囲まれた自然豊かな景勝地だ。
広瀬の生家の近隣住民が話す。
「すずちゃんは活発な子でしたよ。『おはようございます』と挨拶もしっかりできて、小学校から帰って来ては毎日のように、ジャージ姿で家の前の塀にボールを当てたりして遊んでいました。お父さんやお母さんもこのあたりでは有名な美男美女で、お兄さんもイケメン。
4つ年上のお姉ちゃん(広瀬アリス・24)とは仲がよくて、近所の駄菓子屋に自転車で2人乗りして出かけたりしていました。甘えん坊で、いつもお姉ちゃんの後をついて回っていたのを覚えています。ドラマに出て来る草刈正雄さんみたいな、白髪のダンディなおじいちゃんも、亡くなるまではよく自宅に来て、すずちゃんたちと遊んだり、食事したりしていましたよ」
恩師に「もっと強くなりたい」
劇中、なつは演劇部に入部するが、実際の広瀬はバスケットボールに明け暮れ、弱小チームを県大会へと牽引した。当時のミニバスケットボールチームの恩師が懐かしそうに振り返る。
「小学校ではバスケをやっていました。とても細くて小柄で、ポジションはガード。ボール運びの能力はずば抜けて上手かったです。人の動きがよく見えるんですかね。そういうセンスがありました。
5年のときはすごく弱いチームで、負けて泣いたりすることが何回かありました。ある日、すずが『もっと強くなりたい』というから、私は『厳しくなるよ』と言いました。それから練習は週5日のペースで校庭20周(4キロ)、夏休みには6時間の練習を20日間くらいやりました。チームは強くなり、市内大会で200点獲って大勝したこともあったし、最後は県大会で3位までいきました」