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令和の両陛下が目指される道とは
対談では、若い宮内庁職員を気遣う上皇陛下の素顔も明かされる。国民一人ひとりを大切に思われるのと同じように、職員にも丁寧に接せられていたという。
羽毛田氏が感じたのは、目の前にいる一人の人間が抱える“喜び、悲しみ”をまず大事にされ、その先に、地域全体、国全体という大きな物語があるのだ、と関心を広げてゆかれる上皇の真摯な姿勢だった。
令和の両陛下はどのような道を目指されるのだろうか。ふたりはこう推測する。
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羽毛田 皇太子殿下(天皇陛下)ご自身も会見で陛下の基本的な道は自分も尊重したいとおっしゃっています。それでは具体的にどういうことをなさるかは、新しい時代の要請もありますし、陛下が二月の御在位三十年記念式典でおっしゃったように、次世代の天皇がご自身で「象徴のあるべき姿」を求めていかれるしかないのでしょうね。
渡邉 たぶん(上皇)陛下にうかがったら、次の世代は次の世代で考えてほしいとおっしゃると思う。要するに、社会というものは変わっていく。世界も変わっていくし、人も変わっていく。だから天皇も変わっていくということなのだろうと思います。
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渡邉氏、羽毛田氏が間近に接した平成の両陛下の素顔、宮内庁職員たちのとの知られざる交流、令和時代の皇室への期待まで、存分に語り合った対談「平成から令和に継承すべきもの」は、「文藝春秋」5月号に掲載されている。
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