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高校のeスポーツ部、アリかナシか? 大洗高校やN高校の事例から考える

通信制高校に通う学生たちが「青春」する場になり得る

2019/05/07

genre : ライフ, 娯楽, 社会

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eスポーツ部に寄せられた懸念

 大洗高校は2月26日に「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」の開催周知とeスポーツへの関心を高めるために「eスポーツ体験会」も開催しています。

 すべての高校において、大洗高校のような判断をしないところもあるのは事実でしょう。意見の中にはeスポーツがスポーツとは言い難い故、部活としても成立しないと言うものもありました。ただ、部活動は運動部だけでなく、文化部もあり、スポーツだけが部活として認められるものではありません。eスポーツ部が運動部に属するのか、文化部に属するのかは、判断しかねる部分はありますが、部活として、否定する理由にならないのではないでしょうか。

 公費を投入することを問題視する意見もありましたが、これも他の部活と差別化する理由とは考えにくい。流行り廃りの早いゲームにおいて、ゲーム機やソフトが数年しか持たないことを理由にしている意見もありましたが、他の部活でも恒久的に使える備品などはほとんど存在せず、その多くが消耗品であることは明らかです。やはり反対意見とするには無理筋であると言えます。

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通信制高校に通う学生へ「部活に入る」選択肢をつくる

 先日、全国高校生eスポーツ選手権の取材をしていたときに気づいたのは、参加チームに通信制高校が多かったことです。通信制高校では通学制を選ばず、通信制を選んでしまうと、在宅で授業を受けることになるので、部活に参加するのが難しくなってしまいます。特に運動部のように特定の場所でないと活動しにくいものには参加ができません。

 それに対してeスポーツは、オンラインでプレイすることができるので、通信制高校に在籍する生徒にとっては、参加しやすい部活と言えます。つまり通信制高校を選んだが故に諦めなくてはならなかった部活に参加できるようになるわけです。

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N高校の場合

 全国高校生eスポーツ選手権の『リーグ・オブ・レジェンド』部門で決勝大会まで進んだ、カドカワが運営するN高校のチームのメンバーであるたいち選手は「高校最後に良い思い出ができました」とも語っていました。