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「もっと薬を飲んで、もっと血圧を下げなさい!」と言われているよう
私は、こうした個人の価値観も尊重されるべきだと思うのですが、今回のガイドラインを読んでいると、すでに70歳以上の半数以上の人が降圧薬を飲んでいるにもかかわらず、「まだまだ血圧が高すぎる! もっと薬を飲んで、もっと血圧を下げなさい!」と言われているような気がしてくるのです。
ガイドライン作成委員会の方々は「そんなことはない」と反論されるかもしれません。ですが、作成委員には有名大学医学部教授をはじめ、権威ある高血圧の専門家の名前が200人以上も並んでいます。多くの医師がガイドラインを守ろうとするので、「血圧を厳しく下げるべき」という社会的圧力はますます強くなるでしょう
人は血圧以外にも様々なリスクと向き合わなくてはならず、充実した人生を送るために、多少のリスクを自ら引き受けなければならないこともあります。それに、血圧や健康のことばかり心配していたら、楽しくないような気もします。血圧の専門家が作ったガイドラインですから、「血圧をもっと心配しなさい」という内容になるのは当然なのかもしれませんが……果たしてみなさんはどう思われるでしょうか。