――特に現代はそんな気がします。
ジョニ男 親でさえもそうかなと。親だから、血が繋がってるから何言ってもいいとなると、喧嘩で終わるじゃないですか。僕もよく喧嘩してたんですよ。でもある時に、この人たちも人間じゃないですか、なんでもかんでも言っちゃいけないなって思って。そしたら全然気が楽になりましたね。
――身近な人ほど気を遣うべきなのかもしれない。
ジョニ男 ちゃんと挨拶とか。僕は家族に「おはよう」とか「おやすみ」とか、必ず言うんですけど、うちの妻は家族に挨拶することに最初びっくりしてた。今うちはみんなそうやってやってますけどね。そっちの方が、多少の社交辞令があった方が、うまくいくような気がするんですよ。だから後輩の肩を揉みながら「最近どう?元気?」ってやらないといけないと思います。
――それは「好かれたい」とかではなく?
ジョニ男 自分にとっては後輩でも、誰かの先輩だったりするわけだから。やっぱり色んな顔があるわけですよ(笑)。
――確かに、タクシーの運転手さんに厳しい人とか嫌かもしれない。
ジョニ男 あぁ嫌ですねー。あれなんですかね、タクシーの運転手とか店員さんとかね。がっかりしますよね。
――すごい腰低い人だと思ったら、急にぞんざいになる。
ジョニ男 「そういうところがあるってことは……」ってなりますよ(笑)。
「現世は来世の練習でいいんじゃないか」
――突然ですが「売れたい」という感情はありますか。
ジョニ男 売れたいなとすごく思ってました。「20代で売れてやる! そしてスーパーカーに乗るんだ!」とか。でもだんだん年齢を重ねていったら、目が悪くなってきて、車の運転が怖い。安全運転の方がいいです。すごい高いものとか、油っこいものがだめになってきて、一番食べたいのはふきの煮物になる。
――欲望の形が変わってくるのでしょうか。
ジョニ男 そうだなぁ。年齢と共に「お金持ち=幸せ」っていうのがなんか違うんじゃないかな思えてくるというか。でもね、そういう欲求とは上手に和解できてるのに、人前で緊張することはなかなか解けないんですよ。慣れることもないし。なのである時考えたんですよ、俺「この現世は来世の練習でいいんじゃないか」って。
――来世の練習……。
ジョニ男 練習なんだから失敗したっていいじゃないかという気持ちで今生きているんですよね。これ言ったら関根さんは死ぬほど笑ってましたけど(笑)。「これをやったらこういう失敗した」ということがわかればいいんですよ、今世は。だからとにかく失敗してみるという風にシフトしました。BIG3、ダウンタウンさん、ウンナンさん、とんねるずさんとか、あの人たちの歴史を紐解いていくと、もう20代でバンバン冠番組やってるんです。これ時代のせいにするわけにはいかないんですよね。そう考えると、これは今更無理だなと(笑)。だったらあの方たちに会える喜びを素直に受け止めよう。あの方たちが笑ってくれればいい。4、50になってガチガチってなんか情けなくないですか。