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雅子さまの「心許ない気持ちも致しますが」というお言葉

 いま雅子さまは、美智子さまとはまた違った装いを楽しまれているように拝察している。昭和から平成にかけて、美智子さまは「良妻賢母」としても存在感を示してこられた。公務で多忙な日々をお過ごしになりながら、お手元で3人のお子様を育てられ、マスメディアの報道を通して「理想の家族像」を国民に届けてこられたのだ。

2005年、美智子さまのお誕生日に際してのご近影 宮内庁提供

 美智子さまは2018年10月、お誕生日に際しての文書回答でこのようにお気持ちを綴られている。

〈皇太子妃、皇后という立場を生きることは、私にとり決して易しいことではありませんでした。与えられた義務を果たしつつ、その都度新たに気付かされたことを心にとどめていく ― そうした日々を重ねて、60年という歳月が流れたように思います。学生時代よく学長が「経験するだけでは足りない。経験したことに思いをめぐらすように」と云われたことを、幾度となく自分に云い聞かせてまいりました。その間、昭和天皇と香淳皇后の御姿からは計り知れぬお教えを賜り、陛下には時に厳しく、しかし限りなく優しく寛容にお導き頂きました。3人の子ども達は、誰も本当に可愛く、育児は眠さとの戦いでしたが、大きな喜びでした。これまで私の成長を助けて下さった全ての方々に深く感謝しております。〉

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 一方の雅子さまは、〈この先の日々に思いを馳せますと、私がどれ程のお役に立てますのか心許ない気持ちも致します〉(2018年12月、お誕生日に際してのご感想)と不安な思いを率直に綴られたが、〈これまで両陛下のなさりようをお側で拝見させていただくことができました幸せを心の糧としながら、これからも両陛下のお導きを仰ぎつつ、少しでも皇太子殿下のお力になれますよう、そして国民の幸せのために力を尽くしていくことができますよう、研鑽を積みながら努めてまいりたいと思っております。〉(同前)と決意を新たにされていた。

天皇皇后両陛下 ©JMPA

 結婚されて以来、天皇陛下は一貫して雅子さまを見守り、支える姿勢を示してこられ、両陛下はこれまでとはまた違った家族像を示されながら、新しい道を歩まれるのではないだろうか。雅子さまはメラニア夫人と、お互いの子どもの教育やスポーツ、夫人が取り組んでいる青少年の育成活動などについて話されたという。

 雅子さまがお出ましの際には、パンツスーツを取り入れられる機会も増えていくかもしれない。令和の時代はまだ始まったばかりだ。雅子さまのスタイルは、時代の流れを取り入れられながら、これからより一層洗練されていくのではないだろうか。