ロシアW杯から約1年が経ち、主要欧州サッカーリーグの18/19シーズンが終わろうとしている。メインイベントであるヨーロッパリーグ、チャンピオンズリーグの決勝も終わり、欧州でも主要どころの選手たちは代表モードやその前のつかの間の休暇に入り、メディアでは移籍の噂が絶え間なく飛び交う時期がやってきている。
18/19シーズン、欧州では苦戦する日本人選手が多かった。岡崎慎司はポジションを掴みきれず、香川真司は移籍してもスタメンを掴みきれず、長友佑都も負傷で安定して出場を続けることはできなかった。W杯で日本代表を救った大迫勇也も負傷に見舞われたし、乾貴士は新天地となるはずだったスペイン・ベティスでチャンスをつかめず、この冬にアラベスに移った。W杯1ゴールの原口元気もドイツ・ハノーファーでの活躍を誓い背番号10を背負ったが、チームは二部に降格した。
そんな中、ひとり気を吐いたのが長谷部誠だった。W杯敗退と同時に代表引退を発表、昨夏ブンデスリーガが開幕した頃は「モチベーションの問題」(本人談)でスタメンから外れていたが、一旦やる気を取り戻すと、チームの中心に返り咲いた。リーグ戦では全34試合中28試合にフル出場。UEFAヨーロッパリーグ(EL)では準決勝進出の文字通りの原動力になった。しかも、ドイツでもっともメジャーなスポーツ誌が選ぶシーズンベストイレブンにも選出された。日本からの投票が影響するウェブでの選出などとは違う、れっきとした現地の評価だ。
酒井よりも堂安よりも、なぜか長谷部
フランス・マルセイユの酒井宏樹もリーグ戦では26試合先発と安定した出場を続けたが、ELでの活躍も鑑みると長谷部に軍配が上がる。オランダ・フローニンゲンの堂安律も全34試合中30試合出場、28試合でほぼフル出場したが、オランダリーグとドイツリーグではレベルやメンバー争いの厳しさに差があるのは否めない。
つまり18/19シーズンで一番活躍したのは、日本代表引退した長谷部誠だったのだ。おっさんジャパンと平均年齢の高さを揶揄されたロシアW杯メンバーの中でも2番目におっさんだった長谷部が、並み居る若手を物ともせず、欧州組日本人選手の中で一番活躍したのだ。しかも、ここ数年の長谷部と比べても成長が見られるのは本当に、ハンパないの一言だ。