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ありがとう伊藤光、寺原隼人、レオン・リー……パ・リーグから横浜に来てくれた男たちを振り返る

文春野球コラム ペナントレース2019

2019/06/16
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ロッテから来る選手はみんないい選手!?

●西武
【主な選手】田中章(1976)、基満男(1979)、五月女豊(1982)、ホワイト(1985)、片平晋作(1987)、永射保(1987)、秋元宏作(1990)、青山道雄(1990)、杉山賢人(2001)、デニー友利(2003)、土肥義弘(2004)、大沼幸二(2011)、後藤武敏(2012)、長田秀一郎(2013)

 ライオンズからやって来るパターンは昔から多く、西武になるタイミングで移籍した基は山下大ちゃんとの華麗な二遊間で横浜大洋初期のチームの司令塔に。80年は打率.314でベストナインに輝いた。五月女は82年前半の快進撃を支えた中継ぎ。片平は古葉大洋の5番打者。秋元は谷繁が育つまでの正捕手。コーチのイメージが強い青山だけど、92年巨人戦で代打逆転満塁弾の離れ業を演じている。大きくなって西武から帰還したのはデニー。土肥は牛島ベイスターズの左腕エースだし、長田はDeNA初期の中継ぎエース。横浜高出身のゴメス後藤が晩年を横浜で過ごせたのは幸せだった。

『ファンマガジン横浜大洋』で沢田亜矢子と腕を組む基満男。西鉄野武士軍団の香りをミナト横浜に漂わせた。 ©黒田創

●近鉄
【主な選手】鈴木武(1960)、辻佳紀(1974)、中根仁(1998)、門倉健(2004)、番外編:阿波野秀幸(1998)

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 鈴木は60年初優勝時のシーズン中に三原脩監督に請われて加入、バイプレーヤー的役割を果たした。ヒゲ辻は阪神の印象が強いが、近鉄放出後に1年だけ大洋に在籍して6本塁打を記録。貢献度ではマシンガン打線にいてまえ魂を注入した中根が一番。とはいえ交換相手の盛田幸妃にも横浜で優勝を味わってほしかったからトレードは複雑だ。門倉は牛島政権下の三浦番長と並ぶエース。FA宣言時に球団がうまく交渉してればあと数年ベイで活躍した気がしてならない。阿波野は巨人経由だが、近鉄の元エースが中継ぎで98年Vの立役者になったのは非常に熱い出来事だったので番外編で。

●楽天
【主な選手】中村紀洋(2011)、渡辺直人(2011)、ルイーズ(2012)、内村賢介(2012)、中川大志(2018)

 2011年以降人事が活発に。中村ノリが中軸に座る打線はDeNA初年度ならでは。渡辺直も内村もいい選手だったけど、藤田一也を放出したのは今でも納得がいかない。中川大志よ、早く上で打ってくれ。

●ロッテ
【主な選手】小野正一(1965)、坂井勝二(1970)、江藤慎一(1972)、小山正明(1973)、レオン(1983)、欠端光則(1984)、小宮山悟(2000年)、石井浩郎(2002)、清水直行(2010)、橋本将(2010)、早川大輔(2010)、中後悠平(2018)

 ロッテから来る選手は皆いい選手。古くは最高勝率に輝いた坂井に、首位打者を獲得しながら大洋に出されてシピンとクリンナップを打った江藤。そしてなぜか控えの斉藤巧とのトレードで来たのが超強打者レオン。大洋でも打ちまくって85年は打率.303で31本塁打、110打点。これほどの打者をあっさりヤクルトに渡してしまうのもまた大洋らしい。横浜大洋で投げまくった欠端の加入も大きかった。あとは90~00年代のロッテのエース、小宮山と清水が短期間ながらも活躍してくれたのはありがたかった。石井と橋本と早川は……まあいいでしょう。

ロッテからやってきたレオン。好成績ながら85年限りで自由契約に。ヤクルト移籍後は大洋戦で打ちまくった。 ©黒田創

 昨日の敗戦でついに通算5000敗を達成したベイスターズだが、その試合で内川聖一にホームランを打たれ、さらにRKBラジオの解説が98年Vメンバー(ほとんど出場していないけどなぜか記念写真集には大きく掲載)の岸川勝也さんだったのは交流戦ならでは。5001敗目はもう少し先にしたいものです。

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