1ページ目から読む
3/4ページ目
「菅さんの顔を潰すわけにはいかない」
で、ほんとうにシステムの怖さがにじみ出るのが次の記事。
「『菅さんの顔を潰せない』 長期政権、官から広がる忖度」(朝日新聞デジタル5月20日)
ここで書かれているのは「ふるさと納税」である。ふるさと納税は、菅氏が第1次安倍政権の総務相時代に提唱した。次第に返礼品競争が問題視されたが、注目はこのくだり。
《大阪府泉佐野市の阪上博則理事は、総務省の課長補佐の言葉に驚いた。
「いきなり不交付団体になりますよ」
昨年6月、東京・霞が関にある総務省の一室。》
泉佐野市の理事はこれを「脅し」と受け取った。官僚はなぜここまで必死になるのか。
《「菅さんの顔を潰すわけにはいかない」。複数の省幹部が口をそろえるように、総務省は今年3月、「脅し」を実行に移した。》
記事には総務省幹部がコメントしている。「ふるさと納税が悪いのではなく、制度を悪用した自治体が悪いという構図を作った」。
菅氏の肝入り政策には泥をぬれないという官僚の姿が見えてくる。
《安倍晋三首相が政権に復帰して6年半。権力が放つ強い磁力に吸い付けられるように、首相官邸の意向が霞が関で忖度される構図が強まっている。それが社会に影響を及ぼし、さらに政権基盤を強める「磁界」を形成していく――。》(朝日新聞5月20日)
ああ、忖度ってあるんだなぁ。「ほんとうは怖い令和おじさん」……。