「同日選見送り」報道の前に、打つべき人が打っていた
さて、「同日選見送り」報道が一気に出た今週だが、最初に出たのは日曜の日本経済新聞の一面だった。
「衆参同日選 見送り強まる 消費増税 予定通り」(6月9日)
おっ!? と思って読むと、
・衆参同日選挙を見送る方向が強まってきた。
・安倍政権内で参院選単独でも与党が勝利できるとの判断に傾いた。
よく読むと誰が言ってるのかわからない不思議な記事だが、気になったのは「安倍政権内で参院選単独でも与党が勝利できるとの判断に傾いた。」という部分だ。
本当にそうだろうか。
このとき話題になっていたのが「年金以外に老後には2000万円必要」という例の金融庁の報告。これに輪をかけて放たれたのが麻生財務大臣の“追撃砲”。
「『老後2000万必要』表現不適切…麻生氏釈明」(読売新聞オンライン6月7日)
打つべき人が打つ、いつもの人が今回もきっちり。
「解散風がいったん止んだときのほうが怪しい」という“あるある”
ここで年明けの「展望」記事をもう一度見てみよう。読売新聞の1月4日の記事。
《安倍首相は外交を中心に成果を重ね、統一地方選と重なる12年ぶりの「亥年選挙」を乗り切る戦略を描く。》
《6月に日本で初めて開かれる大阪での主要20か国・地域(G20)首脳会議に合わせて来日するプーチン氏との間で、北方領土の問題解決に向けた大筋合意を目指す。》
北方領土は幻に終わりそうな現状。そして今回の「年金」である。12年前の亥年選挙は消えた年金で負けたのに今回は足りない年金がブレイク。
そう考えると同日選見送りの理由が「参院選単独でも与党が勝利できるとの判断に傾いた」は非常に怪しい。
ただ、「解散風がいったん止んだときのほうが怪しい」というのも過去の“解散あるある”だ。まだ注目は必要かも。