文春オンライン

2019/06/21

「『安倍外交』ここがすごい?」がすごかった理由

 安倍外交の「どのあたりがそんなにすごいのか」と考えた記者は、なんと「安倍応援団と目される」人に話を聞きにいったのだ。登場したのは政治ジャーナリストの田崎史郎氏ら。面白いなぁ。

 その田崎氏は「世界の指導者でトランプさんとうまくいっているのは安倍さん一人なんですよ」。他にもフィリピンのドゥテルテ氏、トルコのエルドアン氏、ロシアのプーチン氏の3人の大統領の名を挙げ、

「こういうちょっと毛色の変わった人と合わせるのがうまいんです」

田崎史郎氏 ©文藝春秋

 この田崎氏の安倍「高評価」を受けて記者は、

《いずれも「独裁的」との批判を浴びることの多い顔ぶれで、そういう人と馬が合うというのも、「さすが安倍首相」ということらしい。》

 なんとも行間を読ませる。

 さらに田崎氏はトランプ大統領との会談で日米貿易交渉が「参院選後決着」で一致したことについて、

「選挙の懸念材料を先送りにすることができた。国内的には大きな意味を持つ」

 と「先送り」を高評価。

 すると記者は、

《外国との交渉を通じて有権者の判断材料を減らすのは、「外交手腕」と言っていいのか。》

「安倍外交を絶賛している人」の話を聞くことで、結果的に己の「??」を浮かび上がらせるという手法だった。

 自分では思いつかない考えを持つ人の意見を積極的に聞いてみる。そこからさらに考えるという記事のつくり方。

 現在、ネットでは「見たいものしか見ない」という分断がすすんでいるとよく言われる。いや、新聞を購読する人だってその新聞の論調しか読まないという人も多いだろう。

 でも見解が分かれるテーマのときは様々な見方を知ると面白い。貪欲に、スケベ根性を大切にしたいと思う。

 そんなことをあらためて感じさせてくれた毎日新聞の「『安倍外交』ここがすごい?」でした。

芸人式新聞の読み方 (幻冬舎文庫)

プチ 鹿島

幻冬舎

2019年4月10日 発売

芸人式新聞の読み方』 が文庫になりました。ジャーナリスト青木理氏との「全国紙・地方紙実名ぶっちゃけ対談」などを文庫特典として収録!

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