『世界まる見え!テレビ特捜部』『恋のから騒ぎ』などのヒット番組を手がけた日本テレビの元プロデューサー・吉川圭三さんが『泥の中を泳げ。 テレビマン佐藤玄一郎』を上梓した。新米テレビマンが業界の荒波に揉まれながら成長してゆくエンタメ小説だ。
「日テレ時代に見聞きしたことをデフォルメし、色々なエピソードを組み合わせ、善い人はより善く、悪い奴はより悪く書きました(笑)。テレビ業界のレジェンドの方々を取材して、リアルを突き詰めたのが功を奏したのか、『まるでテレビ局を歩いているかのような小説だ』という感想をいただいて。虚実の皮膜を楽しんでもらえれば嬉しいです」
新卒で民放キー局に入社した玄一郎は次々と試練に見舞われる。過酷なAD修行、ハニートラップ、芸能界に渦巻く巨大な陰謀、人事を巡る社内闘争など、きれいごとだけでは済まないテレビ業界を泳ぎこなせるのか?
「玄一郎が入局したのは2000年で、物語は16年まで続きます。その間、テレビを取り巻く環境は大きく変化しました。古い部分を残しながらも、どんどん新たな波が押し寄せてくる。そこがおもしろいかな、と思っています」