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「いつかはなんとかしなきゃ」実家の整理・遺品の片づけを解決する10のコツ

「令和最新版 死後の手続き100の疑問」実家の整理・遺品の片づけ

4 親が認知症で高齢者施設に入っている。私物を勝手に整理していい?(59・男)

 これも複数寄せられた悩み。介護・福祉系法律事務所「おかげさま」の外岡潤弁護士が留意点を指摘する。

「法的にいえば、子が親のものを勝手に処分した場合、たとえば親子の仲が非常に悪かったりしたら、刑法上の器物損壊罪で告訴される可能性はあります。民事上は、賠償義務が生じる可能性もあります。

 なので、まず所有者である親の許可を得ることを心がけた方が無難。親が認知症などで判断力が無い場合は、親に成年後見人をつけ、後見人の許可を得たうえで処分する。これが原則です」

5 会社員時代の重要書類が大量にあるが、安全な捨て方を知りたい。(66・男)

 前出の石見氏が言う。

「通常の可燃ごみは、回収したその日のうちに焼却されますから、朝のゴミ収集の時間に出せば基本的には安全に捨てられます。

 機密性の高い文書や銀行の明細書など、万が一にも他人に見られたくない書類は、整理会社や古紙回収業者に連絡し、『溶解炉処分』を依頼する手があります。シュレッダーではなく完全に溶かして処分し、『溶解証明書』を発行してくれる。段ボール2、3箱の書類で1万~2万円が目安です」

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現代ならではの“デジタル遺品”はどうする?

6 パソコンやスマホをどうしよう。(75・女)

 デジタル遺品に詳しいライターの古田雄介氏が、生前にできる手続きを解説する。

「Gmailを使っていて、死後にデータを消したい場合は『グーグルアカウント無効化管理ツール』を利用しましょう。6カ月など一定の期間を設定しておくと、その間グーグルのサービスを使わなかったら確認メールが来ます。そこで何の反応もなければ、アカウントが無効化されます」

 家族になら見られてもいい人は、こんな方法も。

「パスワードの一部を家族で共有し、そこだけを空欄にしたパスワードを紙に書いて、実印など重要なものと一緒にまとめておく。つまり家族だけに完全なパスワードがわかる」(前出・大津氏)

 デジタルに親しんでいるのなら、ネット上のフリーマーケットも大いに活用したい。捨てるより、売れるに越したことはない。

7 ネットフリマの使い方のコツは?(52・女)

 “フリマの達人”として関連著書のある川崎さちえ氏がいう。

「うまく利用するには、それぞれの特徴を知っておくこと。例えば楽天の『ラクマ』というフリマアプリは70代の利用者が増えているので、高齢者向けのものの買い手が見つかる可能性が高い。衣類やバッグ、靴を売るならメルカリがお奨め。ヤフオクは男性の利用者が多く、鉄道や飛行機の模型など、コレクション品がよく売れます」

8 遺品整理業者に片づけを頼みたいが、適正相場を知りたい。(65・女)

「2LDKの住宅で作業員4名だと15万円から。3LDKで6名の作業員だと20万円から」(遺品整理会社リリーフ社長・赤澤正人氏)

 この業界は玉石混交。前出の惟村氏は、安すぎる料金に警鐘を鳴らす。

「『1部屋5万円~』などという“激安”の広告はアテにしないほうがいいでしょう。業者を見極めるポイントがあります。遺品整理のごみ処分に必要な資格は『一般廃棄物収集運搬』ですが、大半の業者はこの資格を持っていません。『産業廃棄物処理』や『古物商』の資格を持っているから安心です、という業者は適切な処分をせず、コストカットしている可能性があります」

 生前整理・遺品整理アドバイザーの上東丙唆祥(じようとうひさよし)氏は「良い業者は『交通整理』してくれる」と語る。

「本来、業者の仕事は運んだり捨てたりだけではありません。リサイクル業者や古本買い取り業者などに様々な仲介・手配することも含まれます。そういう業者を探してみて下さい」