「人生100年時代を生きるためには年金だけでは足らず、夫婦で2000万円必要」とした金融庁の報告書が物議を醸しています。発注元であるはずの麻生太郎大臣が理不尽にも受け取りを拒否したことで火に油を注ぐ格好となり、7月の参院選挙で争点になるのは避けられそうにない情勢となってきました。

 2000万円といっても厚生年金加入を前提とした話で、フリーの物書き(自営業)である私のような国民年金加入者は、その3倍の6000万円!も不足するという識者の試算も出ています。「年金だけではどうしようもない」とわかってはいましたが、あらためてほぼ実現不可能な数字をつきつけられたことで、「老後なんて、もうどうでもいいや」という投げやりな気持ちで、毎日安酒をあおっています。

今年49歳の人は5人に1人が100歳まで生きる⁉

 そもそもどれくらいの人が「人生100年」を生きることになりそうか、調べてみました。すると昨年10月10日に厚生労働省が社会保障審議会の年金部会に、こんなデータを示していたことがわかりました。

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 厚労省や国立社会保障・人口問題研究所のデータを基に推計したところ、昭和45年生まれ(今年49歳)以降の人が65歳まで生きると、女性の3人に2人が90歳まで、そして5人に1人が100歳まで生きることになるというのです(産経新聞「女性の3人に2人が90歳到達 厚労省推計、65歳迎えれば」2018年10月11日)。
https://www.sankei.com/life/news/181011/lif1810110003-n1.html

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 男性は女性より短命で、同じ条件で90歳まで生きる人は約4割、100歳まで生きる人は6%と推計されています。男性が100歳に到達するのはまだハードルが高いようですが、この推計を見る限り、女性は「人生100年時代」を「他人事」ではなく、「自分事」としてとらえておいたほうがよさそうです。