杉本節子さん

 京都の夏の伝統行事、祇園祭。築150年となる市内最大規模の京町家「杉本家住宅」(重要文化財、庭園は名勝)の前には伯牙山(はくがやま)が立つ。先代当主で父の杉本秀太郎氏(フランス文学者)亡きあと、杉本節子さんは公益財団法人・杉本家保存会常務理事として貴重な建築物の保存に奔走しているが、やはり祇園祭には格別の思い入れがあるという。

「暑さの盛りのお祭りは正直いうて大変ですけど、準備から片づけまで、例年変わりなく行うことが大事なんです」

 杉本家は、伯牙山のご神体(人形)や懸装(けそう)品を展示するお飾り場でもあるが、奥の座敷では「祇園会 屏風飾り展」も行われる。旧家所蔵の美術品・調度品を部屋に飾って公開する「屏風飾り(屏風祭)」には、山鉾巡行とは違った魅力が。杉本家では俵屋宗達「秋草図屏風」といった芸術品を間近で鑑賞できるとあって特に人気が高い。〔7月14日~16日。10日~12日は展示品が異なる。大人1500円〕

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 さらに今年は観光協会のキャンペーン「京の夏の旅」にも参加。9月末まで内部を一般に公開する。「夏用の葭戸(よしど)や簾(すだれ)越しの庭園など、京町家の夏の風情を感じていただければと思います」

INFORMATION

「京の夏の旅」
7月20日~9月30日 大人800円
詳細は京都市観光協会HP
https://www.kyokanko.or.jp/