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メキシコに夫(荒波翔)の応援に行ったら、魔術師になったオビスポと再会した話

文春野球コラム ペナントレース2019

2019/07/06
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荒波翔の挑戦はまだまだ続く

 メキシカンリーグにはNPB経験者がたくさんいます。オビちゃんや夫がDeNAでチームメートだった久保康友投手のほかにも、モスコーソ、クルーズ、アマダー、ロサリオ、ナバーロなどなど。試合中にスルタネスのベンチから「カットバセ、カットバセ、ショー!」という声が聞こえたと思ったら、元日本ハムのドレイク選手が叫んでいたということもありました。そういったNPB経験者から話を聞いているからか、チャンスがあったら日本球界でプレーをしてみたいという若手選手もたくさんいるそうです。

 私の夫・荒波翔は残念ながら6月下旬にチームからリリースされてしまいました。招待キャンプを経て契約を交わした後も、契約期間は1か月ごとの更新。外国人枠も数が限られている狭き門です。厳しい条件ではありましたが、キャンプから始まって約4か月間、サヨナラヒットやホームランキャッチなど、メキシコのファンに印象付ける活躍をたくさん見せてくれました。しかし、どんなスーパープレイよりも、毎日ものすごく楽しそうに野球をしている夫の姿が見られたことが、私はとても嬉しかった。慣れない異国の地で、言葉や文化の壁にぶつかりながらも、全身全霊で野球を楽しむ姿は、非常に頼もしく誇らしく思いました。野球を続けたいという夫に、地球の裏側から手を差し伸べてくれたスルタネスには、感謝の気持ちしかありません。先月スルタネススタジアムで開催された「サムライシリーズ」では、私がウグイス嬢をやるという嬉しいサプライズがあり、その日のスターティングメンバーを日本語でアナウンスしました。「1番センター荒波翔」のコールができたことも、一生の思い出です。

 こうして振り返ると実に濃厚な4ヶ月。メキシコのBeisbolが経験できたことは間違いなく大きな財産になりました。夫のことですから、次もまたきっとなにかに挑戦する道を選ぶでしょう。どんな挑戦かはまだわかりませんが、夫の気持ちを尊重し支え続けます。私たちにとって“人生は大冒険”。想像できる未来よりも、想像のつかない未来に興味があります。だからこそ、荒波翔の挑戦はまだまだ続きます。

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