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ダルビッシュに褒められた ホークスの2年目左腕・田浦文丸が乗り越えた壁

文春野球コラム ペナントレース2019

2019/07/15
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高校野球で一番印象に残っているシーン

 ちなみに、田浦投手の高校野球で一番印象に残っているシーンを聞いてみたところ……「甲子園の準決勝でヘッドスライディングしたシーンです」と田浦投手。

 2016年、田浦投手が2年生の時の夏の甲子園。秀岳館は準決勝で北海と対戦。4-1でビハインドの8回にランナー1人を置いて九鬼捕手がライトへヒットを放つと、ライトが後逸し、一気に九鬼捕手もヘッドスライディングでホームイン。1点差にまで詰め寄ったこのシーンは私も印象に残っていましたが、

「そのあとのシーンです(笑)」

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 田浦投手は1点を追う9回に2アウトで打席が回ってきました。代打を送られると思っていたところでそのまま送り出され、気持ちが入った田浦投手。打った当たりはショートへ。全力で走って執念のヘッドスライディングでセーフ! 負けはしたものの、望みを繋いだこのプレーを挙げてくれました。

 それについて九鬼捕手に伺うと「あいつ、あのプレーで実は足が速かったってバレましたからね(笑)。てか、ピッチャーとしてのシーンじゃないんかい!」と先輩、手厳しい(笑)トークの面でも最高のバッテリーでした。

 九鬼捕手は、「田浦は強気のピッチングが持ち味。今は結果も出てないし、多少不安になってるのかもしれませんけど、また自信持てるようになれば強気で行けると思いますよ」と話していましたが、先輩の言う通り! 心配はご無用でした。あの堂々たる1軍デビュー、ただ者ではありませんでした。これから更に自信を付けていけばもっと強気な頼もしいピッチングを見せてくれるはずです。田浦投手から目が離せません。そして、1軍の舞台でも田浦投手―九鬼捕手バッテリーが実現する日が来るのを心待ちにしています。

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