昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2019/07/21

ーー食に対する認識が変わってきたのでしょうか?

久保 断食のあと、たとえば、豚肉を食べて、旨えと思って養豚場を見に行くと、そういう豚は、元気な顔しとるし、ウンコも臭くなかった。そういうもんかなあとというのがありました。やっぱ、元気な豚を食いたいしね。

 有機がいいとか無農薬がいいとかいう知識も多少はあったんです。小さい頃、ばあちゃんが自分たちの食べるものには農薬を使わず、でも市場に出すのは、やっぱり綺麗にせないけんと言って、クスリを撒いてた。そのときも、虫に食われているほうが旨いな、味があるな、と俺は思っていた。いま、畑には、新井さんが海藻を干したものを肥料として入れていて、草もぼうぼうなんだけど、その野菜を食ったら旨い、味がある。なんか面白いなと思って。

 いまはますます、旨いものを口に入れたいというのはあるし、旨いもんがないんやったら、腹へってたほうがいいわ、という感じはあります。酒だけでいいや、みたいな(笑)。

 

「いまはまだ、自分が何をやりたいのかが見えていない」

ーー今後、どんなふうに食に関わっていきますか?

久保 これから、ここで鶏を育てるのか、何をするのか、まだわからない。自分の好きな人たちがやっているから面白いし、みんな、なんかぽろっといいこと言うし、勉強になることを言うし、だけ、一緒におるということです。漁師の人もよくしてくれるんですよ。船はいつでも使える、と言ってくれている。船を壊すのは金がかかるから、壊すよりは譲ったほうがいいし、住民票を移せば漁業権もすぐやけんって。まずは、一緒に漁に出たりしながら、ということになるのかもしれないですね。

 もう、漁船にも乗っけてもらってます。無茶釣れる場所に案内してくれて。誰にも教えねえ、って場所で、脂ののったハマチの子のヤズを釣りましたね。ただ、いまはまだ、本当に自分が何をやりたいのかが、見えていない。でも、この気持ちいい場所で暮らしていれば、そのうち、自分の中で本当にやりたいことが出てくると思ってます。