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相手チームを揶揄するのがデフォルトだったあの頃

 今回の件に関して「“お前”より相手チームを揶揄する応援の方が問題」という意見もあるが、組織的な応援が一般的になり始めた1980年代はどの応援団も自チームを応援すると同時に相手チームを攻撃し、揶揄するのがデフォルトだった。また1970年代~80年代にかけて数多くリリースされた各球団の応援歌もやたらと攻撃的だったり、今の感覚ではあり得ない歌詞がナチュラルに混ざっていて当時の時代背景が色濃く感じられる。今回の応援歌騒動を機にツイッター上でハッシュタグ「#不適切な応援歌のフレーズ」が立ち、皮肉やこじつけのオンパレードで半ば大喜利合戦になっているが、筆者もそこに乗っかる形で過去の応援歌の歌詞をアップしたので軽く振り返ってみたい。

『燃えよガッツだドラゴンズ』
♪ハーイ! イチコロジャイアンツ
♪ハーイ! さよならタイガース
♪ハーイ! おしまいスワローズ
♪ハーイ! カープもひとひねり

 

 おなじみ『燃えよドラゴンズ!』と混同しそうになるが、それもそのはずで唄が板東英二 、作詞作曲が山本正之と『燃えドラ』と同じ。しかもメロディーも似ているというややこしい昭和51年発売の応援歌。その7番の歌詞は「イチコロ」「おしまい」「ひとひねり」となかなか好戦的。そして大洋ホエールズに対する言及は一切なし! 不適切を越えてもはやイジメである。

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『ゴーゴーカープ』
♪巨人阪神ぶっつぶせ ぼくらのカープの時が来た
♪大洋ヤクルト目じゃないぜ 中日叩いて勝どきだ

 

『お笑いマンガ道場』で鈴木義司先生と互いをディスりあっていた富永一朗先生は大のカープファン。初優勝の昭和50年リリースの一曲はジャケットからして最高だが、曲もファンキーなメロディーに富永先生のモソモソっとしたヴォーカルが乗ってグルーヴ感がたまらない。まさに巨人と阪神をぶっつぶしての初優勝。カープファンの歓喜が伝わってくるようだ。