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「こってり」「甘い」が好きならあなたはすでに「デブ味覚」

 

 デブ味覚から脱することのできない理由のひとつに、脳が深く関係しています。

 高脂肪食や糖質を摂取すると、脳では「快楽」に関係する神経伝達物質のドーパミンがつくられます。

 つまり、こってり味や甘い味は、自分を幸せにしてくれる食べ物だと脳が誤学習してしまうのです。

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 ドーパミンが厄介なのは、そういった食べ物を想像するだけでもつくられてしまうこと。

「お昼にラーメンが食べたいな」、「新作のお菓子、食べなくちゃ」。こんなふうに思うだけでドーパミンはつくられます。

 食べれば幸せな気持ちになれると脳は信じているわけですから、脳からの「食べたい」欲求がどんどん強くなっていくことは、簡単に想像がつくでしょう。

 この状態こそが、「やせたいけど、食べたい」を引き起こしています。

 やせたい気持ちも本当だけれど、いままでおいしいと思って食べてきたこってり味や甘い味によって抑えきれない食欲がわき上がり、「食べたい」が勝つのです。

 よく、ダイエットをしようと決めたときに、「食べる量は減らしたくないから、ヘルシーなものを食べよう」と考える人がいます。

 

 しかし、脳が快楽を得るために欲しているのは、そういった食べ物。

 ドレッシングのかかっていないサラダ、脂の浮いていないとんこつラーメン、砂糖控えめのシュークリーム、小麦粉の代わりにこんにゃくを使った麺料理。

 ダイエット中に選びがちなこれらのメニューでは、こってり味や甘い味に慣れた舌を満足させることなどできません。

 最初は意思の力が働くので、あっさり薄味でもがまんして食べますが、舌も脳も心も満足できないのでストレスがたまっていく一方で、遅かれ早かれ食欲が爆発します。

 思い当たる方も多いのではないでしょうか。

 ただやみくもに、ヘルシーなものを食べるだけではやせられない。多くの方の経験が、ダイエットのコツを教えてくれています。

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記事提供:CREA Web

工藤孝文
福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、現在は、福岡県みやま市の工藤内科で地域医療を行っている。糖尿病、ダイエット治療・漢方治療を専門とし、NHK「ガッテン!」、日本テレビ「世界一受けたい授業」、フジテレビ「ホンマでっか!? TV」肥満治療評論家・漢方治療評論家として出演するなど、メディア出演多数。
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本抗加齢医学会・日本東洋医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会・小児慢性疾病指定医。

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工藤孝文

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