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生まれたときから薬剤師になるのが既定路線だった

弁護人:あなたの誇れるところはどこですか?
佐竹被告:仕事に関してはまじめってことです。
弁護人:あなたの悪いところはどこですか?
佐竹被告:視野が狭いってところはあると思います。
弁護人:劣等感という言葉はわかりますか? もったことはありますか?
佐竹被告:ないと思います。
弁護人:自分が劣っているなとかできないなと思っていることはありますか?
佐竹被告:強く思っていることはないです。
弁護人:弟と比べて劣っていると思うことはありませんか?
佐竹被告:ないです。
弁護人:後悔していることはありませんか?
佐竹被告:あまりありません。唯一、崚太のことだけです。
弁護人:崚太君のことで何を後悔しているのですか?
佐竹被告:行き過ぎた行動で死なせてしまったことです。

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弁護人:どうすれば良かったと思いますか?
佐竹被告:まわりに相談したり、やめると決めたらやめれば良かった。
弁護人:やめられなかったのは崚太君のせいだということですか?
佐竹被告:“せい”ではなくて、自分がこんだけ怒ったりひどい言い方をしたりしても、「もう1回やらせてくれ。チャンスくれ」と言われて、どうしてもやめられませんでした。
弁護人:崚太君を医者にしたい夢があったのですか?
佐竹被告:崚太次第です。僕は思っていません。
弁護人:崚太君を薬剤師にしたい夢はありましたか?
佐竹被告:薬剤師も思っていません。
弁護人:薬剤師にどういうイメージをもっていますか?
佐竹被告:これといったイメージはありません。
弁護人:父親には、いつごろから薬剤師になれと言われていたのですか?
佐竹被告:生まれたときからです。うちの家はそういう路線になっていました。
弁護人:そういう家のことをどう思いましたか?
佐竹被告:どうも思わない。それが普通。
弁護人:子どものころお父さんから言われた言葉で覚えている言葉はありますか?
佐竹被告:小学校か中学校のころ、一生付き合うのはどうせ大学くらいからの友達だから、いまは勉強しろと言われました。あと、国民の三大義務は勤勉だとか。
弁護人:父親の記憶は勉強のことだけですか?
佐竹被告:旅行の記憶もありますが、勉強のことが主です。
弁護人:あなたが高校生のころ、父親に対してどんな感情をもっていましたか?
佐竹被告:高校生のときは近寄るのも嫌でした。近寄っていません。