料金プランは「ハイエンド」と「ローエンド」の2種類
KINTOには、3年間で1台のトヨタブランド車に乗れる「KINTO ONE」と3年間で6種類のレクサスブランド車を乗り継げる「KINTO SELECT」の2種類のサービスがあります。どちらのサービスも、月額料金に車両代、任意保険の支払いや自動車税、登録諸費用、車両の定期メンテナンス(KINTO ONEのみ)がパッケージ化された月額定額サービスになっています(表1)。
この2種類の料金プランは、ハイエンドとローエンドのそれぞれの市場をターゲットにしていますが、これは、既にサブスクを開始している欧米の大手自動車メーカーの料金プランを踏襲していると言えます(表2)。ハイエンドモデルは、フォードやボルボが、また、ローエンドモデルは、GM、ポルシェ、BMW、メルセデス・ベンツがそれぞれ取り入れています。
欧州ではGMがいち早くサービスを開始
欧米の自動車業界では、2017年から米国やドイツの大手自動車メーカーがサブスクを提供し始めています。中でも、いち早く乗り出したのがGMです(表2)。2017年1月に、高級車ブランドであるキャデラックの最新モデルを定額料金で利用できる「ブック・バイ・キャデラック」を開始しました。
料金は、月額1800ドルで、車両登録料、税金、保険料、メンテナンス、修理、24時間対応の緊急サポートなどが含まれます。自動車所有に付き物のエンジンオイルの交換や修理を手配する必要がなく、これらのコストを省けるシステムになっています。このシステムは今では、後続の競合メーカーがサブスクを開始する際のベンチマークとなっています。
1800ドルという月額料金は、キャデラックの各種モデルのリース料金の概ね2倍になっています。この点について、GMのブランドマーケティング・ディレクターであるメロディー・リー氏は、「財務に関する詳細な分析を行い、幾つものモデルを検討した上での決定だ」と述べています。
1ヶ月当たり2000マイルを超えると追加料金が発生
月額料金で走行できる距離は、1ヶ月当たり2000マイル(約3200キロメートル)で、それを超える場合には追加料金が課せられます。対象車種は、スポーツ用多目的車(SUV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、高性能スポーツカーなど5車種の最新車で、車両交換は最多で年間18回まで可能です。利用者は、余暇や用事などのニーズに応じて、自動車を乗り分けることができるようになっています。