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トヨタもポルシェも月額制で乗り放題!「車のサブスク」がミレニアル世代を取り込んでいる

『サブスクリプション 製品から顧客中心のビジネスモデルへ』(角川新書)

2019/07/24

ポルシェの乗り放題サービスは月額2000ドルから

 このGMの動きに倣うかのように、大手自動車メーカーが続々とサブスクを開始しています(表2)。2017年の5月には「フォード・パス」、10月には「ケア・バイ・ボルボ」、11月には「ポルシェ・パスポート」、2018年の4月には「アクセス・バイ・BMW」、6月には「メルセデス・ベンツ・コレクション」と高級車を乗り換え放題で利用できるサービスが定額で利用できるようになりました。

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 世界的に人気の高い高級車メーカーであるポルシェが開始した「ポルシェ・パスポート」は、自動車のサブスクを提供するクラッチテクノロジーズ社との提携により実現した試験プログラムで、ジョージア州アトランタでサービスが始まっています。

 ポルシェ・パスポートでは、月額2000ドルで4シリーズから8車種を利用できる「ローンチ」、月額3000ドルで7シリーズから最多の22車種を利用できる「アクセレレート」の2つのプランを設けています。どちらのプランも、月額料金で走行できる距離に制限はなく、乗り放題のサービスになっていて、その内容は、GMのブック・バイ・キャデラックとほぼ同じものになっています。

 日本では、トヨタのような自動車メーカーの他にも、自動車買い取り・販売大手のガリバーを運営しているIDOMが、2016年から「ノレル(NOREL)」というサービス名称で定額乗り放題サービスを開始しています。2018年には、カルモやスマートドライブカーズなどの定額制サービスが次々と開始されています。こうしたメーカー以外のサブスクは、自動車メーカーが提供するサービスと基本的には同じ内容になっています。

レンタカーやカーリースとは何が違うのか?

 かつて、「自動車は購入するモノ」という概念が一般的でした。車の買い替えの平均サイクルは8・8年で、購入したら次の車を買うまで乗り続けるというのが通常の消費スタイルでした。購入する以外のサービスでは、数日という短期間で利用するレンタカーと、一般的に5年から9年ほどの期間で利用するカーリースの2つのサービスがありました。両者の中間に位置するようなサービスが無かったことから、サブスクは、それを埋めるサービスとして位置付けることができます。

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 レンタカーのメリットは短期間から借りられる点ですが、借りるには予約が必要であり、その都度車を取りに店舗に行かなければなりません。休日には空きが無く予約できない場合もあり、頻繁に利用する場合には、その度に費用がかかります。

 カーリースのメリットは、頭金無しで毎月定額料金を支払えば、新車をマイカーとして長期間利用できる点にありますが、契約期間中は車の乗り換えができないため、気に入った車種がリリースされても、車を柔軟に変更することができません。また、月の走行距離制限が設けられていることが多いため、超過すると追加費用が発生する場合もあります。