1ページ目から読む
2/2ページ目

ムードメーカーの役割も兼ねている元木コーチ

 今シーズン、試合前の円陣や試合終了後のダグアウト裏の様子をよく見るようにしている。

 そこには元木コーチが指導の傍ら、ムードメーカーの役割も兼ねていることがよく分かる。とにかくチーム全体が明るく、よく笑うのだ。

 若林や増田など若い野手には積極的に声を掛け、ゲレーロやビヤヌエバら外国人とも孤立しないようコミュニケーションを取るなど、コーチという椅子にふんぞり返るのではなく、常に選手目線で選手に接している。

ADVERTISEMENT

 そういう姿を見る度に、どんな状況にあっても、元木は野球人である自分を見失っていなかったのだろうと確信する。

「やりたきゃ若い奴らが這い上がってこい」、「お前らがここまでこいよ」という時代は終わりを告げた。古ぼけた名誉だけの椅子というもの自体、きっと今の時代にはもう必要とされていないのだろう。

 そのことを僕に教えてくれた元木大介・一軍内野守備兼打撃コーチ。

“どんな気がする”

 今、そのことを尋ねたらなんと答えるのだろう。いや、聞くのは野暮だ。答えは20年前から何も変わっていないに決まっている。あなたがいる限り、巨人はきっと強い。

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2019」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/13103 でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。